福島第1周辺、AIで高精度の線量マップ作成へ 原子力機構

AIを用いた放射線マップの作成手法を説明するJAEAの研究者

 日本原子力研究開発機構(JAEA)は29日、AI(人工知能)を活用し、東京電力福島第1原発周辺の放射線量マップを高精度かつ短時間に作成する手法を開発したと発表した。上空の測定値を地上の放射線量に換算する精度が従来より30%以上も高まるという。
 広範囲の線量マップを作製する場合、ヘリコプターなどで上空の線量を面的に測定し、地上の数値に換算する。平らな地面に均一に線源が存在すると仮定して計算するため、地上での実測値の正確な再現にならないという課題がある。
 機構は過去に行われた無人ヘリによる上空の測定データを大量に用意し、AIに地上の数値に換算させながら、「正解」である地上での実測値に近づくよう設定を調整した。換算した数値と実測値とのずれは、現段階で従来手法より30%以上も少なくなったという。
 線量マップは同じ線量のエリアが等高線のように表示される。従来のマップは等高線が比較的滑らかなのに対し、AIが作ったマップは等高線に多くのぎざぎざがあり、地上の実際の線量により近い表示になっていることがうかがえる。
 3平方キロのマップを作成する場合、上空での測定値を地上の数値に換算する作業に現在は1時間以上かかるが、AIを用いれば数分で完了するため、緊急時により迅速に線量分布を把握できる利点もあるという。
 県庁で記者会見した機構の真田幸尚グループリーダーは「今後は建物や森林などの構造物や気象条件などのデータもAIに学習させ、実測値からのずれをさらに小さくする」と述べた。

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