震災の記憶、家庭で「話さず」4割 被災3県の若年層 民間調査

 東日本大震災の発生当時に5~15歳だった岩手、宮城、福島3県の若年層のうち約4割が、家庭で震災の記憶や経験について「覚えていることはあるが、ほとんど話さない」という傾向があることが、民間調査会社サーベイリサーチセンター(東京)のインターネット調査で分かった。

 震災から11日で10年となる。同社は「災害の危機や備えの大切さの記憶が薄れている世代が、被災地にも増えつつある」と指摘する。

 震災の記憶や経験を話す頻度に関する回答結果はグラフの通り。3県全体では「たまに話すことがある」が最多の43・7%で、「日々、よく話す」「月に何度か話す」を含めると5割超を占めた。県別で「話す」と回答した割合が最も高かったのは福島の計57・0%だった。

 一方で「覚えていることはあるが、ほとんど話さない」は3県全体で42・3%。震災当時の年齢別で見ると、年齢が低いほど「話さない」との回答が目立った。「ほとんど覚えていない」は当時の5~9歳で10・5%に上った。

 調査を監修した東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授(災害伝承学)は「震災の経験が、若い世代に受け継がれにくい状況になっている。学校や家庭で、子どもたちに震災体験を直接伝える機会を増やす必要がある」と強調した。

 調査は2月24~28日、サーベイ社のネットモニターのうち、震災発生時から被災3県に居住している15~25歳の計300人を対象に実施した。

親世代も「伝えず」3割

サーベイリサーチセンターはネット調査で、東日本大震災の発生時に中学生以下の子どもがいた宮城、福島両県の247人に、震災の記憶や経験を子どもに伝えているかどうかを聞いた。「ほとんど話すことはない」は32・4%だった。

 「たまに話すことがある」との回答は61・1%を占めた。「日々よく話す」、「月に何度か話す」との回答は、それぞれ3・2%にとどまった。

 家庭内で自分の子どもが震災について話す頻度を尋ねた結果、震災時に子どもが小学生だった家庭で「ほとんど話さない」が47・4%、「たまに話す」が45・6%だった。

 調査は2月13日に福島県沖で発生した地震を受けて同24~28日、宮城、福島両県の20歳以上のネットモニター計1000人に実施。震災の記憶を子どもに伝える頻度の設問は、震災時から両県に住み、子どもがいた回答者を対象とした。

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