被災地の10年、桜とともに 仙台の大沼さんが写真集発行

被災地の桜を撮影した写真集を発行した大沼さん

 東日本大震災の被災地で桜を撮り続けてきた山形県天童市出身の写真家大沼英樹さん(51)=仙台市青葉区=が、集大成となる写真集「未来へつなぐ千年桜」を発行した。震災から10年の変わりゆく街並みと、力強く生きる人々とのエピソードを桜を通じて伝える。

 カラー192ページの写真集は、岩手県陸前高田市、福島県富岡町など沿岸部を中心に2011~20年に撮影したシダレザクラやソメイヨシノを年代順に掲載。津波で家と息子を失いながら、自力で自宅を再建したきこりの男性など、取材中に出会った人々とのやりとりも紹介している。

 11年に岩手県釜石市で撮影した満開の桜は、がれきで埋もれた斜面に根を張り、生命力にあふれている。宮城県南三陸町では16年、かさ上げ工事が進む街とは対照的に、変わらない姿で花を咲かせる桜を活写した。

 写真家歴30年の大沼さんは「写真で人を笑顔にしたい」と願い、震災前から全国の桜のある日常風景を撮影してきた。震災時は発生の翌月から、車に布団や食料を積み込み、車中泊しながら被災地を回って桜を撮る生活を送った。

 大沼さんは「津波で幹を引き裂かれ、傷ついても咲き誇る桜の姿に心を打たれた。困難でも立ち上がっていけるよう桜の記録を未来に伝えたい」と話す。

 写真集は仙台市の市立小学校全120校に寄贈した。2750円。連絡先は玄光社03(3263)3515。

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