宮城でコロナなぜ拡大? 専門家「多様な要因が複合的に作用」

リバウンドを受けて独自に出した緊急事態宣言について説明する村井嘉浩知事(右)と郡市長=18日、宮城県庁

 宮城県内の新型コロナウイルス感染症の急速なリバウンド(感染再拡大)を受け、行政や医療現場が対応に追われている。全国的に患者の減少傾向が続く中、なぜ宮城は感染拡大に歯止めがかからないのか。専門家らは2月以降の首都圏との往来や、会食の場での感染増などの要因が複合的に作用したと指摘する。

 県内の新規感染者の推移はグラフの通り。感染は2月に入って落ち着き、県は同7日に仙台市全域の酒類提供店への時短営業要請を解除した。だが、2月末ごろから右肩上がりとなり、リバウンドの状態が続く。

 急増の理由について、東北大大学院の小坂健教授(公衆衛生学)は「多くの要因が複合的に作用したと考えられる。2月中旬以降、政府の緊急事態宣言が出ていた首都圏からの往来が増えた影響も大きいのではないか」と指摘する。

 小坂氏は背景として、大学入試や東日本大震災の関連行事のため、首都圏からの来訪者が増えたことなどを挙げる。2月13日に発生した最大震度6強の地震で、復旧や被害査定の関係者が県外から数多く来訪したことも影響したとみる。

 「PCR検査体制をさらに拡充させ、保健所など逼迫(ひっぱく)する現場に人的資源などを集中させる必要がある」と強調する。

 感染対策が不十分な環境での会食が、感染拡大につながったとの見方も根強い。県内では2月23日に飲食業支援策「Go To イート」のプレミアム付き食事券が再販売され、3月16日に販売中止となった。

 県疾病・感染症対策室の担当者は「気の緩みによる人出の増加が要因として考えられるが、プレミアム食事券との関連も否定できない」と説明。飲食店での感染者やクラスター(感染者集団)の発生が目立つ状況も変わらないという。

 感染者数が突出している仙台市では、若年層を中心に、保健所の調査に行動歴を明かさないケースも目立ち始めている。県の感染対策に携わる厚生労働省の担当者は「保健所の推測では、飲食店や昼カラオケでの感染が背景にある、との話も聞いた」と語る。

 感染を抑え込むためには行動歴の調査が欠かせない。郡和子仙台市長は「県外から保健師や看護師の応援をもらい、徹底して調査をしている。協力してほしい」と呼び掛けている。

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