東北の繁華街、軒並み地価下落 コロナ禍で急ブレーキ

コロナ禍で閑散とする国分町。繁華街へのダメージが地価にも如実に表れた=2020年12月

 新型コロナウイルスの感染拡大は、地価にも暗い影を落とした。23日発表の2021年公示地価で、人出の減った東北の繁華街や観光地の地価は軒並み下落。宮城、山形両県は今月、独自の緊急事態宣言に踏み切るなど、コロナ収束の兆しは見えない。堅調に推移した地価は急ブレーキがかかり、視界不良に陥った。

 コロナ禍で客が激減した東北一の歓楽街、仙台市青葉区の国分町。低迷を裏付けるように、県内商業地の下落率トップ3に2カ所が入った。

 国分町2丁目は下落率が最大の5・1%でマイナスに転じるのはリーマン・ショックが尾を引く11年(10・6%)以来10年ぶり。鑑定した千葉和俊不動産鑑定士は「(初の時短営業要請があった)昨年暮れから閉店や撤退が相次ぎ、厳しい状況にある」と指摘する。

 福島県内の商業地で下落率が最大の6・8%となった郡山市大町1丁目も、16年に調査地点に追加されて以来、初の下落。県復興・総合計画課は「コロナの影響は飲食、宿泊、観光の業態で強く受けた。営業自粛で収益力が低下し、地価への下落圧力が生じた」と説明する。

 岩手県内最大の繁華街、盛岡市の大通商店街はマイナス5・4%と7年ぶりの下落。不動産投資が旺盛で昨年は6・8%上昇した同市盛岡駅前通もマイナス6・8%の下落に転じた。

 秋田市の歓楽街、川反(かわばた)(市大町5丁目)は3・1%下落したが、JR秋田駅西口は横ばいとなるなど、下落幅はそれほど大きくない。秋田県の戸沢一喜不動産鑑定士は「地価水準が元々低く、感染者が全国的に少ないことから、下げ幅は小さかったとみられる」と分析した。

 温泉地の地価にもコロナの影響が直撃した。浅虫温泉がある青森市浅虫蛍谷はマイナス2・5%で、調査地点となった18年以降最大の下げ幅。自粛要請や青森ねぶた祭の中止が響いた。

 山形県では下落率の高い5カ所に、あつみ温泉(鶴岡市)、蔵王温泉(山形市)、上山温泉(上山市)が入った。同県の月田真吾不動産鑑定士は「(1都3県への)緊急事態宣言の再発令で、宿泊施設の稼働率低下が影響した。下落幅が今後拡大するかどうか分からないが、元の水準に戻るとは考えにくい」と話す。

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