国と東電に2億円賠償命令 いわき原発事故訴訟 地裁支部判決

一部勝訴の垂れ幕を掲げる原告側弁護団=26日、福島地裁いわき支部前

 東京電力福島第1原発事故で自主避難を強いられたなどとして、いわき市民1471人が国と東電に対し約26億7000万円の慰謝料の支払いなどを求めた訴訟の判決で、福島地裁いわき支部は26日、国と東電の共同責任を認め、計2億431万円の支払いを命じた。原告側は賠償水準が不十分だとして控訴する方針。

 名島亨卓裁判長は、国は2002年公表の地震予測「長期評価」を09年8月までに原発の安全評価に取り込むべきだったと指摘。その知見に基づき、東電に対し改善を求める命令を出す義務があったのに怠ったと違法性を認めた。

 東電の責任に関しては09年8月以降、津波を想定し具体的な安全対策を講じるべきだったと過失を認定した。国が命令を怠った不作為と東電の過失には実質的な共同関係があり、連帯責任を負うべきだとした。

 判決は、いわき市民は「事実上避難を強いられる状況だった」と認定。市内にとどまった住民も「避難者と同じ精神的苦痛を受けた」として一部を除き慰謝料を14万~22万円上積みした。被害の終期は11年9月末とした。

 原告側弁護団の広田次男弁護士は「国の責任を認めた判決は勝利と言える。一刻も早く確定させたい」と述べた。東電福島本社は「内容を精査し対応したい」とコメント。原子力規制庁の担当者は「国の主張が一部を除き認められなかった。対応を検討する」と話した。

 提訴は13年3月。市民は被ばくの不安を強いられて生活しているなどとして、市全域で空間放射線量が毎時0・04マイクロシーベルト以下となる原状回復措置や事故の法的責任の明確化などを求めていた。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

秋季高校野球東北大会 勝ち上がり▶


企画特集

先頭に戻る