海域の水質調査 放出1年前から 東電が対応方針

 東京電力の小早川智明社長は16日、福島第1原発にたまり続ける処理水を海洋放出する政府方針の決定を受けた対応方針を発表した。今後は放出に必要な設備や運用に関する実施計画の策定を進め、原子力規制委員会に認可を申請する。

 東電の対応方針は政府方針に沿い、処理水の年間放出量は事故前の第1原発の放出管理値(22兆ベクレル)を下回る水準を「当面維持する」と明記した。海域の水質調査は放出の約1年前から始め、安全性確認の一環として処理水の中で魚を育てる試験も計画する。

 放出には第1原発5、6号機近くの既存の放水口の使用を想定。放出前に放射性物質の濃度を検査するための「サンプルタンク」を新たに設置、第三者による測定も行う。保管用タンクの増設に関しては「追加の要否について精査する」と言及するにとどめた。

 放出の前に排出基準以下になるまで再浄化を繰り返し、さらに100倍以上の海水で希釈し、トリチウムの濃度は国の排出基準の40分の1程度にする。

 小早川社長は16日夕に福島県庁で内堀雅雄知事に説明し、「組織体制を強化し、福島の復興と廃炉の責任を果たす」と述べた。内堀知事は「情報発信や風評対策について東電の主体性が十分に感じられない。責任と覚悟を持って取り組んでほしい」と話した。

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