高齢者の接種「達成は無理」 宮城の自治体悲鳴

 新型コロナウイルスのワクチンが今週から宮城県内の各市町村に大量供給され、高齢者の接種が本格化する。県内ではクラスター(感染者集団)を防ぐ観点から、大半の市町村が高齢者施設優先でスタートしたが、全国で感染拡大が続き、政府は突如、7月末までに高齢者の接種完了を要請。市町村は計画の前倒しを迫られ、「問診する医師が足りない。目標達成は無理」(首長)との本音が早くも漏れる。

 

「脅迫を受けているよう」

 施設の入所者を除く一般高齢者の接種開始日や完了目標は表の通り。10日までに14市町村が接種を始め、「未定」の仙台市以外の20市町も5月中に着手する。スムーズな接種に向け、年代別で順次行う自治体もある。

 7月末までの完了を目指すのは、少なくとも26市町村。うち石巻市は接種率が7割、多賀城市では8割以上で「完了」と定義した。土日の接種日を増やしたり、集団接種会場を大規模化したりスピードアップを模索する自治体もある。

 大型連休中に急きょ日程を組み直し、土日の午前中も接種可能にした登米市の担当者は「国の方針がころころ変わり、毎日悲鳴を上げている」とこぼす。県北の自治体関係者も「脅迫を受けているよう」と国の大号令に困惑を隠さない。

「基本的には独自で」

 10日に接種を始めた柴田町は、当初のペースを1日80人と設定したが、7月末まで2回の接種を終わらせるには1日200人以上が必要と判明し、完了目標を「未定」と回答。涌谷町は「医療従事者が足りない」と窮状を訴えた。

 村井嘉浩知事は10日の定例記者会見で、高齢者人口が最も多い仙台市の早期完了の重要性や集団接種の利点を挙げ、「仙台市の課題を抽出し、県の支援を早急に判断する」と表明。大規模接種センターの開設検討など、市との連携を強化する構えだ。

 一方、仙台以外の市町村については「基本的には独自で頑張ってほしい。足りない部分は協力する」と調整役に回る考えを示した。

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