「飲食店認証」東北でも広がる 山形と福島先行、4県導入へ

客席の消毒作業を確認する山形県の担当者=4月26日、山形市内
山形県が交付する認証ステッカー

 新型コロナウイルスの感染対策を徹底する飲食店などを認証する独自制度の導入が、東北各県でも広がってきた。先駆けの「山梨モデル」を参考に、県の実情に即した基準のアレンジや利用客へのPR方法を模索する。感染拡大の防止と地域経済の底上げを両立させる切り札として期待されるが、厄介な感染症だけに、狙い通りの成果を上げられるかどうかは見通せない。

確認追い付かず

 山形県は4月26日、認証制度の実動部隊「新型コロナ対策認証課」を21人体制で新設した。申請のあった飲食店や宿泊施設を職員が訪ねて認証基準を確認し、守っていればステッカーを交付する。

 基準は「座席の間隔が1メートル以上」「大声での会話を控えるよう要請」など最大26項目。政府が都道府県に通知した案をベースに、「手洗い設備を非接触の自動水栓や足踏み式にする」といった項目を加えた。

 目下の悩みはスピード。今月14日までに、対象約6300施設のうち1009施設の申請を受けたが、現地確認は263件、認証は55件にとどまる。

 大貫典子認証専門員は「1回の確認に1時間近くかかる。多くの関心を頂いているが、なかなか作業が追い付かない」と明かす。今後は民間委託を進め、認証を加速させる考えだ。

 山梨県の「やまなしグリーン・ゾーン認証」は、二酸化炭素濃度や滞在時間などの数値基準を含め、50項目にも及ぶ厳格な基準が特徴の一つ。それでも、認証店で4月末にクラスター(感染者集団)が発生し、対策には限界もある。

 福島県が4月8日に導入した「ふくしま感染防止対策認定店制度」の基準は約30項目。「十分に換気している」「トイレの洗浄消毒を徹底している」など簡素な表現が多い。県食品安全衛生課の金沢賢一課長は「利用客もルールを守らなければ感染は広がる。店には基本的な対策を促すことを重視した」と説明する。

地図検索を検討

 認証店を利用客にどうアピールするかも知恵の絞りどころだ。山形県では現在、店名リストをホームページにアップしたのみ。福島県は今月12日までに認証した420施設をまだ公表していない。金沢課長は「地図上で検索できるようにするなど、利便性の高い発信を考えている」と話す。

 宮城県は今月20日ごろの募集開始に向け、制度の詳細を詰めている。接待を伴う飲食店向けの基準も設ける方向で、業界関係者のヒアリングも実施しているという。県食と暮らしの安全推進課の永田靖和課長補佐は「店舗にも利用客にも分かりやすい制度にしたい」と力を込める。

 青森、岩手、秋田3県も今後、導入する方針。念入りな対策でなければ、感染抑止を見込めない。基準のハードルがあまりに高ければ、認証店が少なく需要喚起に結び付かない。二兎(にと)を追う試行錯誤が各地で続きそうだ。

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