「宇宙の奇跡」分かりやすく 国立天文台・水沢観測所長が新著

出版された「宇宙の奇跡を科学する」

 ブラックホール撮影の国際プロジェクトで日本チームを率いた国立天文台水沢VLBI観測所(岩手県奥州市)の本間希樹所長が、「宇宙の奇跡を科学する」(扶桑社新書)を出版した。宇宙の成り立ちやブラックホール研究の歴史を分かりやすく伝えている。

 地球に人類が誕生した謎に迫りながら、宇宙が「偶然という名の奇跡」にあふれることを紹介する。超新星爆発では、星の内部で作られた重元素が宇宙にばらまかれるが、このことが生命誕生に欠かせず、「私たちの体は星のかけらでできている」と説明した。

 太陽系が天の川銀河の「片田舎」に位置することの利点も指摘。星同士のニアミスを免れ、危険な放射線を大量に浴びないため、生命が繁栄しやすい環境にあることを解説する。

 専門のブラックホールについては、銀河の誕生との関わりなど最新の学説を紹介。アインシュタインの一般相対性理論など多くの科学者の業績を紹介しながら、今日の研究成果に至った道のりを振り返る。

 今後の研究領域についても、正体不明の「ダークエネルギー」「ダークマター(暗黒物質)」や、小惑星探査機「はやぶさ2」の活躍、宇宙人の存在、第2の地球への移住可能性など、硬軟織り交ぜたテーマに言及。宇宙天文ニュースを理解する上で読んでおきたい一冊となっている。

 新書判256ページ。946円。連絡先は扶桑社03(6368)8870。

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