「監督を誰も止められず」被害学生が証言 仙台大漕艇部・パワハラ問題

監督からのパワハラを訴える学生

 仙台大漕艇部監督の男性教授(58)がパワーハラスメント行為を指摘されている問題で、被害を訴えている愛媛県に住む20代の男子学生が河北新報社のインタビューに応じた。「監督の権限が絶大で誰もストップをかけられない」と語り、スポーツ界の上下関係の厳しさが問題の温床になっていることを指摘した。
 学生は高校時代、ボート競技の四国選手権大会で上位に入賞し、監督からスカウトされて仙台大進学を決めた。「五輪経験者に声を掛けられ、信用した」という。
 ハラスメントは上級生からコックス(舵手(だしゅ))を引き継いだ直後に始まった。コックスは指揮者のような役割。学生は競技だけでなく、大会のエントリーや遠征費の計算などの庶務も引き受けることになり、教授から「仕事が遅い」と責められるようになった。
 「練習や大学の講義がある中、睡眠時間を削って庶務に当たったが責められ続けた」と振り返る。
 監督はロサンゼルス、ソウル、バルセロナの五輪3大会に連続出場し、ロンドン五輪で日本代表のヘッドコーチ(HC)も務めた実力者。「監督に嫌われたら大会には出場できない。仲間は自分を陰でしか助けてくれなかったし、監督に悪口を言うよう命じられるとそれに従った」
 監督は漕艇部の寮に同居していた。食事も共にしていたといい「オフの日ですら、どこで何をしているか確認された」と話す。
 助けを求めるべき大人も近くにいなかった。「コーチも監督の教え子なので、相談できなかった。大学もまともに取り合ってくれなかった」
 学生は重度ストレス障害で、実家のある愛媛県で2週に1度通院を続ける。同県代表で国体に出場する誘いも受けたが「体調の問題もあるけど、監督に会うかもしれないという恐怖心があって断った」と明かした。
 学生は2019年4月から約半年にわたり教授からパワハラを受けたとして、松山地裁今治支部に約4400万円の損害賠償を求める訴えを起こしている。

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