塩釜市、清掃工場の耐震不足放置 09年度診断で判定

耐震性能不足のまま放置されてきた塩釜市清掃工場

 宮城県塩釜市が市清掃工場の一部施設について耐震性能不足を指摘されながら、10年以上にわたって放置していたことが21日分かった。建設時の法令などに合致しており違法性はないが、震度6程度の地震で倒壊の恐れがあるという。市は2021年度中に耐震補強に向けた設計、工事を実施する。

 清掃工場は1976年5月に完成し、鉄筋コンクリート地下1階、地上3階で、延べ床面積約1441平方メートル。鉄筋コンクリート2階の事務所もある。2009年度に耐震診断調査をした設計会社に工場の1、3階、事務所が基準値を満たしていないと判定された。

 市が建設コンサルタント会社に委託して15年度に実施した調査でも「東日本大震災で劣化が大幅に加速し、建物を長期に維持する場合、耐震性に問題がある部位の補強が必要」などと重ねて指摘されていた。

 清掃工場は建物や設備の老朽化が進んでおり、市は昨年4月にごみ処理事業検討部会を設置。周辺自治体がつくる宮城東部衛生処理組合への加入を含め、清掃工場の在り方について検討してきた。耐震性能不足は今年2月、部会の報告を受けて設けられた市幹部らでつくる委員会で明らかになった。

 これまで市は積極的には耐震補強に取り組んでおらず、市幹部の一人は「当時はごみ処理業務を広域化する構想があり、推移を見守っていたのではないか」と推測する。

 市は21年度内に工場の耐震補強設計を実施し、工事に着手する方針。事務所は耐震化を図るか移転新設するか検討する。佐藤光樹市長は「指摘を受けたにもかかわらず、問題が市役所内で共有化されていなかった。これまで是正しなかったのは不適切。地震が頻発していることもあり、職員の安全のためにも緊急に対応する」と話している。

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