Wi-Fi電波で発電 充電不要スマホの実用化も期待

 東北大電気通信研究所の深見俊輔教授(磁性物理学)らの研究グループはスピントロニクスの原理を利用し、Wi-Fi電波で発電する技術を開発したと発表した。将来的には充電が不要なスマートフォンなどの実用化も期待できるという。

 スピントロニクスは電子が電気を運ぶ働きを利用するエレクトロニクス(電子工学)に、電子の「スピン」と呼ばれる磁石の性質を組み合わせた技術。

 発電は、スピントロニクスの原理を利用する素子の磁石部分が、電磁波に反応して同じ軌道で運動する性質を利用。8個の素子とコンデンサー、1・6ボルトで発光する発光ダイオード(LED)電球などを直列でつなぎ、Wi-Fiと同じ周波数2・4ギガヘルツの電波を流した。その結果、5秒程度のコンデンサーの充電でLED電球が1分間光り続けた。他の周波数と比較しても、2・4ギガヘルツの場合が最も出力が大きかった。

 産業界では既に数ミリ四方に100万~10億個の素子を集積する技術があり、集積が実用化すれば、より弱い電波での効率的な発電が可能になるという。

 深見教授は「大きな電気出力を得られる素子の構造とつなぎ方を開発したことで、これまで電力源としては捨てられてきたWi-Fi電波から効率的に電力を抽出することが可能になる」と話す。

 スピントロニクスは、先端研究で世界30傑入りを目指す計画「東北大学ビジョン 2030」で重点4分野の一つに位置付けられている。

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