ミャンマーに思い寄せて 岩出山の中学生、NIEで国際情勢学ぶ

 大崎市岩出山中(生徒205人)が教育に新聞を活用する「NIE」の時間に、私が書いたミャンマーのクーデターに関する記事を取り上げて感想を書いてくれました。宮城の中学生がミャンマー情勢にどんな感想を持ったのか、直接聞いてきました。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

 岩出山中は毎週火、水曜に「NIEタイム」を設け、全校生徒が新聞記事を読んで感想をまとめています。社会への関心を高め、自分事として考えを深めるのが狙いです。活字に親しみ、読み書き能力を伸ばす効果も期待されています。

 5月18、19日のNIEタイムで、13日の河北新報に載った記事「日本の皆さん 祖国助けて 東北在住ミャンマー人の叫び」を取り上げ、ミャンマー情勢について理解を深めました。

「日本の皆さま、ミャンマーを助けてください」 1335分の4、東北発の声

 ミャンマーでは2月に国軍によるクーデターが起き、抗議デモに参加する市民が激しい弾圧を受けています。記事は、多くの死者が出ている状況を嘆き、国際社会に支援を求める東北に住むミャンマー人4人の声を紹介する内容です。

 21日の放課後、岩出山中を訪ねました。生徒会活動の時間に、執行部の生徒ら20人が話し合う機会をつくってくれたのです。生徒たちは真剣な表情で、率直な感想を発表しました。

ミャンマーの現状に対する感想を発表する生徒=2021年5月21日、大崎市岩出山中

 「デモや軍の攻撃はテレビで見たことがあったけど、知らなかったこともたくさんあった」

 「暴力は駄目だと思う。食糧を確保するために、死者が何百人と出ているデモに参加しなければならないのは、とてもひどい」

 「たくさんの人たちが助けを待っている。自分にできることを考えて、できるだけ協力したい」

 「ミャンマー軍は力の使い方を間違っている。軍は国民を守るため、万が一のために備える存在だと思う。国を守るためではなく、国を傷付けるために使っていると感じた」

 「命懸けでデモに参加していると知り、とても苦しい状況にいると感じた。大変な時だからこそ、助け合うことが大事だと思った」

 「平和で幸せな国になってほしい。日本から支援を続けてほしい」

 「死と隣り合わせの生活を送っていることを知った。大切な命を救いたい」

 「一刻も早く平和な日常に戻ってほしい。理不尽で、命懸けのデモはあってはいけない。日本政府には現状を変えられるような動きをしてほしい」

 「命懸けで元の安心した生活を取り戻そうとしている。命の大切さを改めて考えさせられた」

 「こんなことが起きていたのは初めて知った。私たちにでもできることがあるなら、協力したいし、助けてあげたい」

 「こんな悲しい出来事が毎日のようにあると知った。こんなことはあってはいけない。どうにかしてあげたい」

 「同じ世界でこんなに苦しんでいる人がいるとは思わなかった。少しでも力になりたい」

 「家に入ってきたり、デモ参加者を弾圧したりして苦しめているのは知らなかった。自分にできる文房具の寄付などに協力したい」

 「見ているだけじゃなく、ミャンマーの人々のSOSをしっかり受け止め、自分たちにできることをしたい」

 「ミャンマーの人たちがかわいそう。軍の人たちは命を何だと思っているのか。ひどすぎる」

 「(軍に)ばれてしまったら殺されてしまうかもしれない恐怖の中、手紙を出してくれたことに感謝しかない。私は守ることはできないが、生徒会活動で少しでも支援したい」

 「人間はみんな同じなのに、平和な国とデモや戦争のある国。何でこんなに違うのだろう」

 「ニュースで見たが、想像をはるかに超えていた。とても心が痛い。記事に『ゲームのように殺される』とあったが、正直ゲームよりも残酷でひどいと思った」

 「今が一番大変で悔しくて悲しいと思う。どれだけつらくても一番大切なのは命なので、命を大切にしてほしい」

 「ニュースでクーデターが起きているのは知っていたけど、ここまで大変な事になっていると知らなかった。僕たちが今できる寄付などを積極的にやっていきたい」

 生徒会は4月から、東南アジアの子どもたちに役立ててもらおうと、不要になった文房具を集めているそうです。NPO法人宮城・ミャンマー友好協会(仙台市)が長年、同様の活動をしてきたことを記事で知り、送り先をミャンマーにすることに決めたといいます。

 生徒会長の小井戸聖(こうき)さんから「文房具でいいのでしょうか」と聞かれ、「中学生にできる範囲でいいと思います。一歩を踏み出すことで、関わりが生まれ、関心もさらに出てくると思います」と答えました。

 ミャンマーの記事は「よその遠い国の出来事と捉えず、身近な隣人が悩み苦しんでいることを読者に知ってほしい」と取材を始めました。岩出山の子どもたちに思いが届いたと感じました。

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