2019年10月の台風19号豪雨で大規模浸水に見舞われた福島県郡山市の住民たちが、自主勉強会を結成して原因究明に乗りだした。丹念に資料を読み込む中で見えてきたのは、行政の連携不足や現場感覚を欠いた水害対策だった。街はなぜ水没したのか-。住民たちは「行政は意味のある治水を講じてほしい」と訴える。
台風被害の真相究明に取り組むのは、市中心部を東西に流れて阿武隈川に注ぐ逢瀬川の流域6町内会の住民たちだ。4月以降、国や福島県、市から収集した資料の分析を続けている。9日の勉強会には住民や市議約30人が参加した。
逢瀬川の氾濫について、県は「阿武隈川の水が川をさかのぼって流れ込んだため」と説明する。水が行き場を失って逆流するバックウオーター現象の一種だ。「それでは、なぜバックウオーターは起きたのか」。住民たちは資料を突き合わせて謎解きに挑んだ。
疑われたのは、大雨時に宅地から河川へ雨水を排水する市営ポンプ場の稼働実態だ。各ポンプ場が豪雨で軒並み停止する中、阿武隈川と逢瀬川の合流部にほど近い古川ポンプ場は運転を続け、市域が浸水した後も雨水46万トンを阿武隈川に排水していた。
この事実を市災害対策本部の議事録から拾い出した住民たちは、国土交通省の資料と比較。河川が危険水位に達した場合、国交省はポンプ場の運転を停止するよう推奨していることを突き止めた。水位の上昇を食い止めないと、堤防決壊の危険性が高まるためだ。
勉強会では「市は国の見解を知らなかったのではないか」との疑念が示された。「足元の水をくみ上げては上から大量に降り注いでいた状態。被害の拡大は人為的ミスの可能性もある」との声が上がった。
逢瀬川の氾濫は最も標高の低い阿武隈川との合流部で発生し、宅地の浸水は中流部へと拡大している。しかし県の富田水位観測所は中流部にあり、事態を正確に把握できていなかった可能性も指摘された。
市は現在、市街地の雨水を逢瀬川に排水するため、複数の雨水幹線の整備を進めている。「これまで以上に流域住民を危険にさらすのではないか」と首をかしげる住民たち。自主勉強会の事務局は「地元選出の県議や市議会とも連携し、事実とデータに基づいて望ましい治水の在り方を提言したい」としている。
[郡山市の台風19号被害]死者は6人。阿武隈川とその支流の計14カ所で堤防決壊や越水を確認。14・37平方キロが冠水し、浸水家屋は推定2万1331世帯。民間事業者は532社が被災して被害総額は625億6200万円。農業被害は30億円。
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