児童の心に深い傷 白石一小 死傷事故1カ月

 白石市白石一小の校庭で防球ネットの木製支柱が折れて6年生男児2人が死傷した事故は27日、発生から1カ月がたった。再発防止の取り組みが進むものの、安全であるべき教育現場で起きた悲劇に学校や保護者の胸には深い爪痕が残る。

 同校は事故後、宮城県のスクールカウンセラーと教職員による児童の見守りに力を入れてきた。支柱は全て撤去し、現場近くには献花に訪れる人のためにテーブルを置いた。

 同校関係者は「今は心のケアとご遺族の気持ちに寄り添うことを大事にしたい」と話す。教員もショックを引きずりつつ、児童が安心できるよう普段通りの対応を心掛けているという。

 6年生児童の保護者は子どもたちの心の傷を心配する。男児の一人は亡くなった子のサッカーの練習用ユニホームを引き継ぎ、27日に現場に献花した。父親は「いつも通りに見えるが寝付きの悪い日が続いている」と語った。別の父親も「子どもの心にはずっと事故のことが残るだろう」と今後も見守る姿勢を示した。

 事故は4月27日、放課後に児童6、7人がネットに寄り掛かって遊んでいた際、高さ6メートルの支柱1本が根元から折れ、頭を強く打った1人が死亡、1人が顎を骨折した。

 支柱の設置は1989年度。点検は教員による目視などにとどまっていた。事故を受けて県教委は業者による点検の対象外となっている藤棚などを含めた学校施設の安全点検を要請し、文部科学省も設備の総点検を全国の教委に通知した。

支柱は撤去され、事故現場近くには献花用のテーブルが置かれた=27日、白石一小

市教委、事故調査委を設置

 白石市教委は27日、有識者による白石一小事故調査委員会を設置した。6月中に初会合を開き、再発防止策を話し合う。市教委によると、メンバーは元小学校校長、白石・刈田地区父母教師会連合会会長、1級建築士、宮城教育大教職大学院教授、弁護士の5人。議論を踏まえ、市教委は安全対策を進める。

 半沢芳典市教育長は「ご遺族には今も掛ける言葉が見つからない。同じことが二度と起きないよう、できることは調査委の議論を待たず取り組んでいきたい」と話した。

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