宮城の生食用カキ、出荷期間延長 6月末まで1カ月、3年間試行

 宮城県特産の生食用カキの出荷期間が今季、従来の5月末から6月末まで延長されることが分かった。沿岸部でのまひ性貝毒による出荷への影響や、新型コロナウイルス下での価格低迷などを踏まえた暫定措置。3年間の試行期間を設け、生産者側は衛生管理に万全を期して販売拡大を図り、本格運用を目指す。

カキの殻をむく生産者ら。出荷期間の延長で、苦境からの脱出を期す=2020年10月、石巻市渡波

 県の指導指針は、生食用カキの出荷期間を9月29日~翌年5月末と定める。水産関係者によると、4~6月はカキの餌の植物プランクトンが増え、カキの身が大きくなりうま味が増す。

 県漁協は今年4月、海中で出荷を待つカキをより多く水揚げできるよう、6月末までの期間延長を県に要請。県は海水を含めた衛生検査の実施や、処理場での衛生管理計画の記録や報告などを条件として今月上旬、延長を許可した。

 3年間の試行期間で異常がなく、県は安全に出荷できると判断すれば、指導指針を改正して正式に期間を延長する見通し。

 県漁協によると、今季の生食用カキの出荷量(4月末時点)は1392トン。5月は100トン、6月は80トン程度を見込む。死滅が相次いだ昨季の1327トンを上回るが、例年の1700~1800トンと比べると、少なくなる見込み。

 沿岸部に分布するカキは近年、食品衛生法の規制値を上回るまひ性貝毒が相次いで検出され、断続的に出荷自主規制を強いられている。とりわけ取扱量の多い石巻湾東部では今春、規制が1カ月続いた。現場でカキ殻をむく「むき子」の人数が限られている事情もあり、規制解除後も挽回するのは容易ではないという。

 新型コロナ流行の影響も生産現場に重くのし掛かる。外食需要が減り、今季の10キロ当たり平均単価は約1万2000円と、例年より3割近く落ち込んでいる。

 県漁協は「6月の海水温は、例年出荷を始める9月末よりも低い。必要な検査と気温上昇に伴う衛生管理を徹底すれば、6月でも安心しておいしく食べられる」と説明。県水産業基盤整備課は「カキは宮城を代表する産品。衛生管理を一層徹底してより長い期間、消費者においしいカキを提供してほしい」と期待する。

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