時短解除の飲食店「仕事できて感謝」「客足戻るか不安」

 新型コロナウイルス対策として仙台市青葉区の酒類提供店などを対象にした時短営業要請が13日夜で解除された。要請が始まった3月25日から約2カ月半。時短や休業を強いられてきた飲食店は14日、客足の回復に不安を抱えながらも、日常を取り戻そうと一歩を踏み出した。

飛沫(ひまつ)防止の対策をしながら酒を楽しむ客=14日午後8時30分ごろ、仙台市青葉区国分町2丁目の「0909」

 青葉区国分町2丁目で老舗クラブ「0909(わくわく)」を営むユミコーポレーション(青葉区)の斎藤由美子社長(60)は、入り口の花を示し「2カ月ぶりに生けた」と笑顔を見せた。

 「仕事ができることに感謝する。でも心の底からは喜べない。時短要請がまたあるのではないかと不安はある」

 時短期間中、店を開けたのは予約が入った月1、2回だけ。売り上げは例年の1割にも満たない。従業員には副業を積極的に勧め、10人ほどが昼の仕事などのため、辞めたという。

 「事業を続ける意味はどこにあるのか」。葛藤の中、店の役割を再認識した。「こんな時だからこそ、情報交換できる社交場をぜひ活用してほしい」と語る。

 マスク着用をはじめ消毒、体温計測、マドラーを使い分けるといった対策に努める。斎藤さんは「国分町の明かりを消さないため、知事や市長はルールを守る店に対して力強い言葉や後押しで道しるべを示してほしい」と訴える。

営業再開を待ちわびた常連客らが料理と酒を楽しんだ=14日午後6時10分ごろ、仙台市青葉区国分町2丁目の金市朗国分町店

 国分町2丁目の居酒屋「金市朗国分町店」は14日、4月末から続けていた休業を終え、約1カ月半ぶりにのれんを出した。

 「お祝いのケーキを買おうと思ったぐらいだよ」

 常連客の宮城野区の会社役員男性(57)が笑って店員に話し掛けた。「店が開いていないと(訪れて)応援もできなかった」と振り返り、お薦めの宮城県村田町産の空豆の網焼きを味わった。

 ただ、4店舗を営む金市朗(宮城野区)の渥美幸洋社長(50)は楽観視していない。「国分町へのイメージは想像していた以上に厳しい。救いの協力金がなくなる不安もある」と話し、コロナ下で遠のいた客足が戻る確信を持てずにいる。「行政は感染対策をしている店を支援することで『風評』をなくしてほしい」

ビアガーデンも営業開始

 藤崎本館屋上の「オープンビアテラス」は、例年より約1カ月遅れで営業を始めた。客席を通常の3分の1程度に減らし、トング使用時のビニール手袋、卓上のビールサーバーも用意した。食品部バイヤーの佐々木修さん(38)は「売り上げは減るが、安心して飲食を楽しめる開放的な空間を提供したい」と話す。

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