ウニ畜養、出荷時期の調整目指す 岩手県が実証試験

 岩手県は15日、三陸沿岸のウニに人工的に餌を与えて実入りを高める蓄養試験を大船渡市三陸町綾里地区で始めた。綾里漁協(大船渡市)の協力を得て一定の条件でウニを育てる試験は今年1~3月に続く第2弾。今回は天然生ウニが品薄となるお盆明けの出荷を目指す。

 綾里地区に用意した蓄養池は広さ約500平方メートル、深さ2~3メートル。この日は漁協関係者らが綾里湾周辺で採ったキタムラサキウニ約5800個を池に移し入れた。

 今後は餌として生のコンブやワカメを与える。24時間、明るいままにすると産卵期を遅らせられるという研究に基づき、夜間は池の周囲に設置する8基の発光ダイオード(LED)照明をともし続ける。9月にかけ、月1回のペースで実入りの状況を調べる。

 今年1~3月の試験では、可食部である生殖腺の重さは当初の平均2・6グラムから2カ月後に7・0グラムへとアップ。冬場でも餌を与えると実入りが高まることが確認できた。今回の試験では、漁期が終わり流通量が減るお盆明けから9月上旬の販売の可能性を探る。

 9月以降に予定する3回目の試験では、塩蔵コンブのほか、キャベツや白菜を餌として育て、需要が高まる年末年始に出荷できるかどうかを調べる。

 三陸沿岸ではウニが増え、海藻類を食べ尽くす磯焼けが深刻化。実入りの悪いウニばかりになるという悪循環が続く。綾里漁協の和田豊太郎組合長(71)は「蓄養試験への期待は大きい。年末などの需要期に高く販売できるようになるといい」と話した。

 県の蓄養試験は2020年度に引き続き、21年度も県内4カ所で実施する計画。県大船渡水産振興センターの山野目健上席水産業普及指導員は「付加価値のある収益力の高いウニを出荷する新しいモデルを構築したい」と意気込む。

綾里地区の沿岸で採ったウニを蓄養池に移す関係者

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