マスクなし会食、カラオケ熱唱 解放感に浸る酔客 宮城全域で時短解除

通常営業に戻った飲食店。マスク会食は浸透していない=16日夜、仙台市青葉区(写真の一部を加工しています)

 仙台市青葉区の酒類提供店などへの時短営業要請が13日夜で終了し、約2カ月半ぶりに宮城県内全域の飲食店が通常営業に戻った。県はリバウンド(感染再拡大)防止徹底期間を7月11日まで延長。県民に飲食時の感染対策の継続を呼び掛けるが、解放感による気の緩みが目立ってきた。
(報道部・大橋大介、岩田裕貴)

マスク会食浸透せず

 通常営業初日の14日、青葉区一番町のすし店で会社員の男性4人組が午後7時から酒席を開いた。個室で約3時間半、歓談したが、マスクは全員外した。
 「マスクをしていたら、まともに会話できない。知り合いだから安心だ」。参加した男性(41)が悪びれずに言う。
 県はリバウンド防止徹底期間中、「マスク会食」「大人数(5人以上)や長時間の飲食自粛」「飲食店でのカラオケ自粛」などを要請している。だが、応じる酔客や飲食店は少ない。
 JR仙台駅西口周辺の居酒屋で15日、友人と約3時間過ごした専門学校生の男性(21)も「マスクは邪魔」と言い切る。「仙台の感染者は減っているので不安はない」という。
 店側は「見て見ぬふり」の構え。青葉区国分町にある居酒屋の男性店員(24)は「お客さんに注意したことは一度もない。気持ち良く飲んでいる時に『マスク着けて』とは言いにくい」と明かす。

県はリバウンド警戒

 飲酒できる時間が延びたことで飲み過ぎたり、羽目を外したりする酔客の姿は確実に増えた。
 「時短解除はありがたい!」。15日午後10時ごろ、仙台駅西口近くで、酔いつぶれた仲間を抱えた男性(25)は楽しげな声を上げた。いずれも20代で会社の同僚の男女数人が傍らではしゃぐ。6人で午後5時に飲み始め、3次会の店を探していたという。
 カラオケ好きの我慢も「決壊」した。太白区の男性会社員(50)は同僚ら5人と飲み、2次会は国分町のスナックへ。宮城ゆかりのバンド、ハウンドドッグの代表曲「ff(フォルティシモ)」を熱唱し「久々に歌えて満足」と上機嫌だった。
 自粛要請などは店側に十分届いていない。14日にカラオケ設備の利用を再開した一番町の居酒屋の女性経営者(79)は「今日から気兼ねなく歌える」と誤解していた。
 前回2月の時短要請解除後は感染者ゼロの日もあったが、飲食店の政府支援策「Go To イート」の再開などを経て、3月にリバウンドが起きた。村井嘉浩知事は記者会見で「また感染の波が来る。波を低く抑えるか、高くしてしまうかは県民の協力次第」と繰り返し訴える。

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