<撮れたて とうほく食紀行>歴史香る桜 銘菓に咲く/塩釜

 木型を使って命を吹き込む。平安時代、都人の歌にも詠まれた塩釜神社(宮城県塩釜市)の塩釜桜。八重の花びらや、特徴のある3本のめしべもくっきりと、菓子職人が銘菓に花を咲かせた。

 神社に近い同市宮町で藩制時代から続く和菓子店の丹六園が、昔ながらの製法で手作りする「志ほか満(ま)」。塩釜桜と地元特産の藻塩を表した菓子として伝わり、仙台藩主にも献上された逸品だ。

 厳選した宮城県内産のもち米と藻塩を使い、藻に似せてまぶす青ジソは自家栽培する。口に入れるとほろほろと溶け、程よい塩味が甘みを引き立てる奥ゆかしいおいしさだ。

 丹六園の歴代当主は、戦後途絶えかけた塩釜桜の復活に尽力した。「受け継いだ味とともに、先代の思いも守っていく」と11代目丹野貴美子さん(74)。7月の塩釜神社例祭に向け、港町の歴史が香る菓子作りは忙しさを増す。
(写真映像部・小林一成)

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とうほく食紀行

 自然に恵まれた東北は食の宝庫。歴史に育まれた伝統食や、生産者が情熱を傾ける食材もある。カメラで斬新に切り取り、撮れたてをおいしくお届けする。

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