ペイペイ還元、庄内の自治体積極的 近隣からも買い物客 コロナ下の消費喚起狙う

ガソリンスタンド周辺で渋滞も起きた酒田市のキャンペーン最終日=5月31日(写真の一部を加工しています)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う地域経済の活性化策として、山形県庄内地方の2市2町が、スマートフォン決済のポイント還元キャンペーンを積極的に展開している。消費喚起策としてはプレミアム付き商品券事業よりも住民や店からの評価が高く、コロナ後を見据えたデジタルトランスフォーメーション(DX)の布石となっている。

「お祭り状態」に

 庄内地方のキャンペーン状況は表の通りで、三川町以外の全自治体で実施。酒田市が昨年10月、ペイペイ(東京)と連携し東北の市町村で2番目に導入したのが普及のきっかけとなり、年末までの3カ月間は一種の「お祭り状態」を引き起こした。

 現金をスマホのアプリに入金できる特定のコンビニの現金自動預払機(ATM)に長蛇の列ができ、酒田市民以外も市内で消費すればポイント還元を受けられるため、近隣自治体から買い物客が流入した。

 庄内地方の他市町でも同様のキャンペーンを期待する声が強まり、鶴岡市や庄内町で連鎖するように実施が決まった。

 ペイペイなどのQRコード決済は、(1)客がアプリを起動し画面に表示したコードを店に読み取ってもらう(2)店側が提示したコードを客がスマホで読み取り代金を入力する-の2通り。現金払いよりも客と店員の接触が減らせる上、店側も専用端末の導入が必須ではない点がメリットとされる。

 代金の一定割合をポイント還元するシステムは、消費喚起を狙う施策にもマッチする。行政にとって従来のプレミアム付き商品券なら自前でやらざるを得ない販売や換金といった煩雑な事務作業が不要になる。 

DX見据える

 特にペイペイは行政と連携した還元キャンペーンを大々的に打ち出し、手厚いサポート態勢をアピールする。実施自治体は全国で167を数え、同業他社を圧倒する。

 酒田市の調査によると、商品券よりもポイント還元事業を評価する市民は90・0%、市内店舗は82・8%と大多数を占めた。市民の57・2%が事業をきっかけにペイペイの利用を始め、今後も利用を続ける人は96・7%。店舗も99・1%が続けると答えた。

 回答者は未利用者を含む市民約1400人、事業参加店のうち約350店。キャッシュレス決済の文化を地域に根付かせる上で大きな効果があるようだ。

 酒田市の丸山至市長は「ポイント還元キャンペーンはコロナ下で地元にお金を落とす仕組みとして優れている。今後は定着したキャッシュレス決済を生かし、DXを絡めた経済施策を考えたい」と話す。

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