コロナ感染急拡大の要因 変異株「L452R」とは?

 新型コロナウイルスの「L452R」変異は4~5月、インド国内で猛威を振るった変異株「デルタ株」に特徴的に見られます。デルタ株の感染力はおおむね従来のウイルスの約2倍、英国で見つかった変異株「アルファ株」の1・5倍と言われており、国内での7月以降の感染急拡大の要因とされています。

 L452Rは、ウイルスが細胞に侵入する際に使うスパイクタンパク質を構成しているアミノ酸基の452番目が、元々の「L(ロイシン)」から「R(アルギニン)」に変異したことを表しています。

 新型コロナウイルスは感染を繰り返すうち、2週間に1カ所ほどのペースで遺伝情報の変異が起こるとされています。ウイルス表面のスパイクタンパク質が変異すると、ウイルスの性質そのものが変わってしまうことがあります。

 宮城県と仙台市はデルタ株流行の兆候を調べるため、5月29日以降に陽性が判明した患者の一部を対象にL452Rのスクリーニング検査を実施しています。6月下旬、仙台市の患者から県内で初めて見つかりました。

 7月に入って急増し、8月4日までに計163件(仙台市95件、仙台市以外68件)が確認されています。7月26日~8月1日に判明した感染者に占める割合は60・9%となっています。

 厚生労働省によると、8月2日時点で、遺伝子解析でデルタ株と確定されたのは37都道府県で1201人です。直近1週間で418人が新たに確認され、ペースが上がっています。

 世界保健機関(WHO)によると、デルタ株は7月20日現在、少なくとも世界132の国と地域に広がっています。中国、インド、インドネシア、ロシア、英国など13カ国では過去4週間にデルタ株の割合が75%を超えています。

 WHOが「懸念される変異株(VOC)」と認定しているのは4種類です。以前は最初に確認された国名で表現していましたが、特定国への偏見や風評被害を避けるためギリシャ文字のアルファベットで英国を「アルファ」、南アフリカを「ベータ」、ブラジルを「ガンマ」、インドを「デルタ」と呼ぶようになりました。

 国立感染症研究所が7月15日現在で公表した資料によると、デルタ株に対する米ファイザー製と英アストラゼネカ製のワクチンについて、感染や発症を防ぐ効果が下がる可能性があるものの、重症化を防ぐ効果は変わらないとされています。米モデルナ製は不明といいます。

 個人で可能な感染予防策は、変異株であっても従来と特に変わりありません。「3密」の回避、特に会話時のマスクの着用、手洗いなどの徹底が推奨されています。

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