「集水地形」全国にリスク 土石流の特徴や備え、東北大の専門家に聞く

森口周二准教授

 静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模土石流は、大雨時に起こり得る「山津波」の恐ろしさを改めて示した。土砂災害の研究を続ける東北大災害科学国際研究所の森口周二准教授(地盤工学)に、土石流の特徴や必要な備えを聞いた。
(報道部・岩田裕貴)

 今回の土石流の起点とされる山間上流部はV字型の谷で、雨水が集まりやすい「集水地形」と呼ばれる。土石流や崖崩れのリスクが高いそうした場所に、数日間で400ミリ以上の雨が降ったことが大きな要因だ。

 2019年の東日本台風(台風19号)時に宮城県丸森町で多発した土砂崩れも多くは集水地形で起きた。東北を含め、日本各地で発生し得る災害と言える。

 多数の住宅が被害を受けた点も今回の特徴だ。被害地域周辺には火山があり、噴火など何らかの原因で運ばれてきた火山岩が集水地形の下流部に堆積してできた平地に、住宅が立ち並んでいた。平地が土石流の流下経路となったことで被害が拡大した。

 土砂災害の発生サイクルは何百年や何千年に1度というケースが多く、人間の一生よりはるかに長い。そのサイクルのギャップが、住民が土砂災害を想定したり、積極的に避難したりするのを難しくさせている。

 まずは普段からハザードマップをきちんと見てほしい。自宅周辺だけでなく通勤・通学路、避難所に向かう経路など確認すべき場所はたくさんある。

 行政機関が発出する情報は頼りにすべきだが、どの程度の雨量ならどんな被害が生じるかを自分で知ることが大切だ。災害のたびに自宅周辺の被害を確認し、雨量と被害の程度をよく比較してほしい。

 そうした情報の蓄積で肌感覚を養い、「これまで大きな被害がなかった」ではなく「今回は逃げなければいけない」という意識を持てるようにしてほしい。

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