新型コロナウイルスのワクチン接種が進む仙台市で、住民票のないホームレスが接種券を受け取れない状況が続く。政府は希望者への接種券再発行などを自治体に求めているが、既存会場での接種には課題もある。専用会場の設置を提案した支援団体に、市は明確な方針を示せずにいる。
「ワクチンを打てるなら打ちたい」。市などがJR仙台駅東口に設置した大規模接種会場の対象者が18歳以上の全県民に広がった1日、駅周辺で寝泊まりするホームレスの男性(59)が記者に語った。
男性は3月、勤務していた南相馬市の会社で上司とトラブルになり退職。仙台に来たものの生活費が底をつき、路上生活に入った。「マスクをしていない若者も見かけ、感染が怖い」と胸の内を明かす。
接種予約に必要な接種券は住民票記載の住所に郵送される。だが、居住実態がないなどの理由で住民票が削除されたり、接種時に必要な免許証など本人確認書類を持っていなかったりする人もいる。
厚生労働省は4月、接種に関する情報の周知のほか、接種券の再発行や接種会場での配布などホームレスに対する適切な対応を求める通知を全国の自治体に出した。市も希望者には再発行するとしている。
こうした取り組みが接種率の向上につながるかは不透明だ。においや汚れを気にして人前で衣服を脱ぐことに抵抗感があるホームレスが多い上、問診や書類確認に時間を要することが予想され、既存会場の接種業務が滞る可能性がある。
ホームレスへの夜間の見回りや食事の提供などを続けるNPO法人萌友(ほうゆう)(青葉区)は5月中旬、接種について(1)支援団体が予約を受け付ける(2)炊き出しの場を会場にする(3)名前や通し番号、顔写真付きで市と支援団体が共有する書類を作成する-などを提案したが、市から今も明確な返答はない。
萌友の芳賀隆太朗代表(49)は「住所が前提の仕組みからこぼれ落ちた人々が後回しにされている。協力は惜しまないので、市は柔軟に対応してほしい」と望む。芳賀代表によると、政府が昨年支給した特別定額給付金の申請でも市の窓口でたらい回しされ、申請を諦めたホームレスが複数いたという。
市ワクチン接種推進室の担当者は「(萌友の)提案を検討する方針だが、高齢者の接種も終わらない中で(ホームレス対策に)手が回っていない」と話す。
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