球宴で楽天勢躍動 3安打3打点の島内MVP

8回全パ1死一塁、東北楽天の島内が勝ち越しの適時二塁打を放つ(佐藤将史撮影)

 全パが競り勝った。二回に杉本のソロで追い付き、三回に島内の2点適時打で勝ち越すなど試合を優位に進めた。終盤に失策が絡んで追い付かれたが、3-3の八回に島内の適時二塁打で勝ち越した。松本、則本昂が見応えある力勝負でともに2回無失点と好投した。

 全セは八回に代打3人の安打などで2点差を追い付き、熱戦を演じた。

▽勝 宋家豪1試合1勝
▽S 松井1試合1S
▽敗 栗林1試合1敗
▽本塁打 佐藤輝1号(1)(宮城)杉本1号(1)(柳)

最高の輝き放つ

 東北楽天の島内が最高の輝きを放った。八回の決勝打を含む3安打3打点。球団では2008年の山崎武司以来2人目のMVPに選ばれた。東日本大震災から10年。震災翌年の12年に入団した左打者は本拠地のお立ち台に上がり、「こういう場でヒーローになれて良かった」と喜んだ。

 3-3の八回、1死一塁で打席を迎えた。初球は「ホームランを狙った」と大振りしてファウル。2ストライクと追い込まれ、「コンパクトに」と意識を切り替えて外角の変化球を右翼線に運んだ。同僚の小深田が一塁から一気に生還し「ナイスランでかえってきてくれた」と感謝した。

 リーグトップの打点を稼ぐ勝負強さを存分に発揮した。1-1の三回は明大の後輩森下(広島)から勝ち越しの2点打。一回の安打に続き初球を捉え、積極的な打撃が光った。

 被災地の球団の一員として「震災で被害に遭った方々が野球を見て、少しでも忘れられる瞬間があればいい」とプレーする意味を語る。

 試合前のセレモニーでは、宮城県内のスポーツ少年団の小学生球児が野球をできる喜びやプロ野球選手になる夢を語った姿に心を打たれた。「ぐっとくるものがあった。自分たちも頑張らないといけないと思った」。初出場した今年の球宴はプロとして気持ちを新たにする舞台にもなった。(佐々木智也)

6回から登板し2回無失点と力投した東北楽天・則本昂
8回に登板した東北楽天・宋家豪
抑えとして9回を締めた東北楽天・松井

勝利呼び込む3投手リレー

 東北楽天3投手のリレーが全パに勝利を呼び込んだ。

 六回、先陣を切ったのは則本昂。「本拠地でのオールスター。いいところを見せられたら」。力強く腕を振り、最速156キロを計測。2死から元同僚のウィーラー(巨人)に直球勝負を挑み、追い込んでから高めの154キロでバットに空を切らせると、目を合わせてにやりと笑った。2回を無安打無失点、3奪三振と完璧だった。

 八回は宋家豪が踏ん張った。3安打に2失策が絡み2失点(自責点0)し追い付かれたが、村上(ヤクルト)、鈴木誠(広島)の強打者を打ち取った。その裏に島内が勝ち越し打を放ち、初の球宴で勝利投手に。「このメンバーに加われて光栄」と充実感がにじむ。

 アンカーはリーグ最多23セーブの松井。「どんな手を使ってでも、島内さんにMVPを渡すんだという気持ちで準備していた」と、直球だけの4球で三者凡退に片付けた。

 チームメートの田中将と浅村が体調不良で欠場。松井は「見たかったファンの方もたくさんいると思う。その分、残った5人がこうやって頑張れた」。美しいバトンパスで本拠地を盛り上げた。
(斎藤雄一)

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