「認証店は時短免除」きょう始動 客集中の恐れ、実効性問われる

県職員(右)による認証基準のチェックに対応する居酒屋の店長=6月3日、仙台市青葉区

 新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、仙台市全域の酒類提供店などで21日夜に始まる時短営業要請で、宮城県の独自制度による感染対策の認証店は初めて対象から除かれ、通常営業できる。制度の目的である感染拡大防止と経済活動の両立に期待が高まる一方、認証店が感染拡大の起点となるリスクもはらむ。制度スタートから2カ月。真価が問われる正念場を迎え、県の関係者に緊張感が漂う。

仙台の認証店は約1割

 山梨県を参考にした認証制度は全国で導入が相次ぎ、宮城県は5月21日に申請の受け付けを開始。換気や間仕切りなど36項目の基準を満たしているかどうか、県や委託業者が1店ずつ現場確認する。二酸化炭素濃度センサーなど、対策に必要な設備の補助制度(上限10万円)も設けた。

 県によると20日時点で1297店が申請し、1079店を調査、904店を認証した。うち仙台市内の認証店は592店で、時短要請の対象約5000店の約1割に当たる。

 市全域の時短要請は8月16日夜まで、午後9時までの営業を求める。認証店は期間を通じて通常営業するか、時短要請に応じて協力金を受け取るかを選べる。

 協力金は1日換算で中小企業が2万5000~7万5000円、大企業は最大20万円。県食と暮らしの安全推進課は「立地や経営規模に左右される。小規模店では判断が分かれるかもしれない」と推測する。

 感染拡大局面での認証店の時短免除は事業者側の要望が強く、複数の県や全国知事会が枠組みの検討を政府に求めていた。実際に踏み切るのは宮城県が初めてとみられる。

 村井嘉浩知事は7月19日の定例記者会見で「認証店は厳しいチェックをクリアしており、(時短免除を)やってみるべきだと判断した」と力を込めた。

 時短要請中に認証店が通常営業することには、負の側面も潜む。県が恐れるのは認証店に客が集中し、感染を広げる事態だ。

 21~31日には宮城スタジアム(利府町)で東京五輪サッカー男女10試合が最大1万人の有観客で行われる。仮に認証店でクラスター(感染者集団)の発生が相次げば、時短要請の効果は薄まり、肝心の安全安心を担保する制度は存続の危機に直面しかねない。

 県の担当者は「認証店は気を引き締め、基準を守れているか、いま一度見直してほしい。お客さんも自分や店のために感染防止のルールを守ってほしい」と呼び掛ける。

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