<アスリートの伴走者>被災地思いの親友、羽ばたけ バレー・小野寺と苦楽共にした仲間

友人の我妻さん=仙台市

 仙台市泉区の会社員我妻直弥さん(25)は、バレーボール男子日本代表の小野寺太志=JT、宮城・東北高-東海大出=と高校の3年間、苦楽を共にした。「太志が全日本の主将を務めるなんて。成長したな」。親友の活躍に目を細める。
 「え、誰だ、あの大きいのは」。初めて会ったのは中3の10月、全国大会に向けた宮城県選抜のテスト会場だった。2メートル近い上背に圧倒された。
 小野寺はその夏まで野球部で投手を務めていた。恵まれた上背を生かすために転向したが、当時はまだ競技を始めたばかり。「バレーのバの字も知らない動きでしたよ」。それでも素質の高さを見込まれ、我妻さんと共に12人の県代表に選ばれた。
 強豪の東北高に進んでも動きは未熟なまま。チームメートとバレーの動きを基礎から教えた。「素直で優しいから、周りに自然と人が集まった」。皆が親身になったのは、小野寺の性格の良さに起因するようだ。
 小野寺は毎年春、我妻さんの実家に遊びに来る。いつも語り草となるのは高校3年の10月、仙台商に敗れ、10年連続の全国大会出場を逃した県大会決勝の戦いだ。「何事ももっと頑張れると学んだ。自分にも太志にも生きる糧となっている」と話す。
 「仙台で大きな地震が起きる度に『大丈夫?』と連絡が来る。優しいやつなんです」。我妻さんは東日本大震災の津波で、宮城野区蒲生の自宅を失っている。「親族は皆無事だったが、大変な思いをした。太志には宮城のつらい人の思いを背負いながら戦ってほしい」とエールを送る。

[小野寺太志(おのでら・たいし)]3・45メートルの最高到達点を誇るミドルブロッカー。2019年のワールドカップ(W杯)で活躍し、日本代表に定着。今年5月の東京五輪テスト大会を兼ねた国際親善試合では、日本代表の主将を務めた。202センチ、98キロ、25歳。名取市出身。

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