ピッチに響く選手の声、ボール蹴る音 空席目立つ宮城スタジアム

有観客となった宮城スタジアムだが、空席が目立った=21日午後5時ごろ(鹿野智裕撮影)

 東京五輪の数少ない有観客会場となった宮城スタジアム(宮城県利府町)で21日、サッカー女子1次リーグが始まった。新型コロナウイルス禍で揺らぎ続ける大会の現場を、観客はさまざまな思いを抱きながら見つめた。

 「他会場の多くは無観客なので複雑な気持ちはあるが、五輪の雰囲気を肌で感じたかった」。宮城県大崎市の無職大平雅弘さん(74)は家族3人で来場した。東京・国立競技場での開会式もチケットを持っていたが、見ることはかなわなかった。ワクチンを接種し、万全の状態で臨んだという。
 海外からの復興支援に感謝を伝えたいという人もいた。ボランティアで東日本大震災の被災地支援を続ける千葉県の自営業角田(つのだ)寛和さん(58)は、出場国の使用言語で表現したそれぞれの横断幕を用意してスタンドに掲げた。
 「有観客の開催を受け入れてもらえたから、世界に気持ちを伝えることができる」。熱っぽく語り、宮城県の決断を支持した。
 スタジアムの最大収容人数は約4万9000人。第1試合の観衆は3000人程度で、上限の1万人を大きく下回った。宮城県によると、チケット販売数は約6000だったといい、半数が来場しなかったことになる。
 「観客よりも関係者の方が多い気がしますね」と話したのは、宮城県塩釜市の会社員男性(68)。シャトルバスやグッズ売り場、トイレも人はまばら。観客は試合中も声を出さず、拍手でプレーを後押し。ピッチには監督、選手の声とボールを蹴る音がはっきりと響いた。
 「3年かけて準備をしてきた。感無量だ」。村井嘉浩県知事は満面の笑みで語った。有観客開催に反対の声が根強いことについて「心配する気持ちは分かるが、5万人の会場に3000人。全く問題ないだろう」と意に介する様子はなかった。
 宮城スタジアムでは22日以降も男女8試合がある。28日の男子1次リーグと31日の男子準々決勝はチケット所有者が1万人の上限を超えて再抽選となっており、初日を上回る来場が見込まれる。

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