「探究心がものすごく強い。どの世界でも、トップに立てる人材だと思う」。東京五輪男子ボクシングウエルター級代表、岡沢セオンを日大山形高時代に指導した同校ボクシング部の佐藤祐平顧問(36)は、その異才ぶりを強調する。
岡沢がグローブを手にしたのは高校に入ってから。「入学式で金色のネックレスをした怖い先輩に囲まれ、『ボクシング部に入れ』と言われた」。本人はよく冗談交じりに語るが、「誇張している。陽気な彼のサービス精神の一環でしょう」と佐藤さん。ユーモアにもたけている。
佐藤さんは現役時代、村田諒太(世界ミドル級王者、帝拳)と拳を交わしてきた経歴を持つ。そんな指導者の目に、岡沢の動きは凡庸に見えた。
競技を始めて半年がたとうとした頃、思い切った提案をした。
「右拳を前にして構えてみないか」
サウスポー転向。これが才能開花につながる。右半身を前に出した構えは小中学校で打ち込んできたレスリングとそっくり。動きが格段に良くなった。
「ボクシングを楽しめ」。佐藤さんは徹底してそう教えた。「殴り合いが全てではない。殴る前のフェイント、駆け引きを考えるのが何よりも楽しいんだ」
特進科で授業時間の長い岡沢の練習は、他の部員より1時間遅れて始まる。佐藤さんは連日夜遅くまで練習に付き合った。「パンチを受けない距離を考えろ。そしてもっと楽しめ」。卓越したディフェンスを武器に、高校3年で山形県高総体ライト級を制覇した。
初めて進んだインターハイは、準々決勝敗退に終わる。ボクシングは高校限りと決めていた。1週間後、泣き腫らした顔で職員室を訪れた。「大学でも続けます」。前言を翻した。
「よほどメダルを取れなかったことが悔しかったのだろう。でも正直言ってうれしかった」(佐藤さん)
東京五輪はメダル候補に挙げられている。恩師の願いは、大舞台でもボクシングを楽しむことだ。
「勝ちにこだわると、パフォーマンスが悪くなる。楽しむことを忘れるなと伝えたい。まあ、本人が一番分かっていると思うけど」
(狭間優作)
[岡沢セオン(おかざわ・せおん)]ウエルター級。日大山形高-中大法出。守備能力に優れ、独特な攻撃のテンポも持ち味。2019年9月の世界選手権で、日本勢最高の8強入り。ガーナ人の父と日本人の母を持つ。所属INSPA。179センチ。25歳。山形市出身。
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