「なし崩し」の仙台入りに不満噴出 来仙の五輪海外関係者感染

宮城スタジアム

 宮城スタジアム(宮城県利府町)で21日に始まる東京五輪男女サッカー競技を前に、海外から仙台市に入った大会関係者の新型コロナウイルス感染が判明し、市がいら立ちを募らせている。大会関係者の大半が市内に滞在するにもかかわらず、東京五輪・パラリンピック組織委員会が来仙情報を伝えたのは数日前。効果的な感染対策を講じるには時間がなく、「恐れていたことが起きた」(市幹部)と頭を抱えている。

 組織委の正式発表によると、市内で感染判明の大会関係者は「入国後2週間以内」だった。12日ごろに仙台入りしたとみられる。

 市外で感染が確認された外国人と同じ飛行機に搭乗し、濃厚接触者と認定された。組織委から連絡を受けた市保健所が15日にPCR検査をして、16日に陽性と判明した。

 市によると、現段階で大会関係者と市民の接触は確認されていない。市幹部は「もう仙台に入っていたとは驚き。空港の水際対策は不十分で、情報提供も少なく遅すぎる」と組織委への不満をぶちまける。

 利府町でサッカー競技がある21~31日、市内には出場国の選手、スタッフ、組織委やメディアの関係者ら1000人弱が滞在する。

 組織委が関係者の来仙情報を市に知らせたのは13日午後6時ごろ。郡和子市長が橋本聖子会長に要請文を送り、無観客試合と宿泊人数や日程の情報提供を強く求めた1時間後だ。時既に遅く、関係者の仙台入りは始まっていた。

 市スポーツ振興課の三井悦弘担当課長は「開催自治体でないから情報提供を後回しにしたのか」と組織委の姿勢を疑問視。「なし崩し的に来られては、他の宿泊客と動線を分離するなど十分な対策を取ることが難しい」と打ち明ける。

 市内の新規感染者は14日以降、1日20人を上回り、感染再拡大の兆しが見える。試合当日は最大1万人の観客が市内を経由するとみられ、人流増加で感染リスクが高まる可能性がある。

 市感染症対策室の中道由児室長は「保健所は再拡大に備え、増員を図ったほど余裕がない。五輪関係者の感染対策は、組織委にしっかり動いてもらわなければ困る」と注文を付ける。

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