「汚染データベース」構築目指す 女川原発1号機、廃炉着手から1年

女川原発1号機の配管を除染する作業員=2020年7月29日(東北電力提供)

 東北電力が女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)の廃炉作業に着手してから28日で丸1年がたった。34年に及ぶ計画期間の初年度は、建屋の汚染状況の把握に向けたデータ収集などに充てられた。東北電は先行他社の取り組みも参考に同社初の廃炉を進めるが、廃棄物の処分先選定など課題も残る。

 廃炉の全体工程は図の通り。東北電がまず着手したのは原子炉周辺の除染で、昨年7~12月、冷却水が通る約30メートルの配管の内側を高圧洗浄機で洗浄した。配管表面の放射線量が平均3割ほど下がり、周囲にあった放射線を遮る鉛製のカーテンを取り外した。

 この配管は一定以上の汚染があらかじめ見込まれ、今後の作業も考慮し先行して除染対象になった。一方、今後の除染範囲を決定するには、建屋や機器のどこがどれぐらい汚染されているかの把握が欠かせない。

 この「汚染状況データベース」の構築が第1段階の目標で、東北電は汚染状況を計算で求めるのに必要な原子炉の設計データや1983年の初臨界以降の運転履歴を整理している。計算結果を確認するために実施する放射線量のサンプリング調査の計画も立てる。

 データベースが完成すると、低レベル放射性廃棄物の発生量の予想も正確になる。現在は約6140トンと見積もるが、特に放射能レベルが高い廃棄物の発生量が変わる可能性がある。ただし、現時点で廃棄物の処分先は決まっていない。

 第1段階のもうひとつの重要な作業が核燃料の搬出だ。1号機の使用済み燃料プールには使用済み燃料821体と未使用燃料40体が保管されている。新燃料貯蔵庫にも未使用燃料1体がある。

 東北電はこれらを2027年度までに3号機のプールに移したり、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)へ譲渡したりする計画。初年度は搬出に使うクレーンなどの機器の点検や整備を進め、東日本大震災発生当時のままだった操作盤を交換するなどした。

 核燃料の輸送容器は燃料棒を束ねた本数によって異なる。東北電は「8×8集合体」の輸送容器は原子力規制委員会の認可を取得済みで、「9×9集合体」については現在、申請準備を進めている。

 1号機の関連設備のうち、放射線管理区域外で汚染がない設備は順次解体する。昨年11月~今年3月には、原子炉建屋に隣接し水素爆発を防ぐための窒素ガス供給装置を撤去した。

 作業に当たっては、廃炉が第2段階に入っている中部電力浜岡原発1、2号機(静岡県御前崎市)なども参考にする。女川原発の金泰裕環境・燃料部長兼廃止措置主任者は「安全第一に作業を進めるのがわれわれの使命」と強調した。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る