<東北のお取り寄せ>「かぼちゃまんじゅう」(福島)浪江の食材で古里の味 今に

浪江町で育ったカボチャを原料とする「かぼちゃまんじゅう」

 東北には、地域の食材を生かしたり、伝統の味を進化させたりして人気を集めるスイーツが多い。新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり消費が続く中、手元に取り寄せて幸せを味わうのはいかがだろう。お取り寄せ王国を歩き、各地の店や生産者を訪ねた。

 もちっとした皮を頬張ると、口いっぱいにカボチャの素朴な味が広がる。「かぼちゃまんじゅう」は福島県浪江町で長年愛されてきた古里の味だ。

 福島市の「石井農園」で、浪江町出身の代表石井絹江さん(69)がアルバイトの女性と共に作っている。「体にいいものを届けたい」と添加物は入れず、素材の甘みを生かす。

 しっとりとした舌触りが特徴の「九重栗カボチャ」を使う。浪江町の土で育ったカボチャを使うことにこだわり、町在住の農家から仕入れている。

 カボチャは7月下旬から取り始める。蒸した後、果肉が残るようにつぶし、冷凍で保管。あんには白インゲン豆を混ぜ、発酵させた生地で一つ一つ包む。

 石井農園は2014年、東京電力福島第1原発事故で同市に避難した石井さんが夫と設立。エゴマや果物を育て、かぼちゃまんじゅうも生産している。

 まんじゅうのレシピは石井さんの義母直伝。原発事故後、市内に避難し高齢者施設に入居した義母が「周囲のみんなに食べさせたい」と話したのを機に、作り方を教わった。

 事故前、義母は近所の女性らとまんじゅうを作っていた。田植えなどを住民共同で行う「結い」の文化がある浪江町では、作業の休憩時などにおやつとして振る舞われていた。

 現在も古里に戻れない住民がいる中、「食と農で浪江町とつながりたい」と話す石井さん。浪江に行くと「かぼちゃまんじゅう持ってきた?」と声を掛けられる。古里と仲間の顔が思い浮かぶ一品だ。

かぼちゃあんを生地で包む石井さん(左)ら=福島市

[メモ]かぼちゃあん、つぶあん、こしあんの3種類。大きさは大中小ある。小は5個入り1箱700円。中は6個入り(1箱600円)と10個入り(1箱1000円)から選べる。大は2個入り1パック300円。送料別。小はかぼちゃあんのみで、中と大はあん3種類から選べる。冷凍状態で発送し、解凍後の消費期限は3日。「道の駅なみえ」などでも購入できる。連絡先は石井農園024(597)8890。

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