戦国時代の書状、伊達政宗直筆と確認 勢力拡大期の高揚感伝わる

 宮城県大郷町の民家で保管されていた戦国時代の書状が今月、仙台市博物館により、仙台藩祖伊達政宗(1567~1636年)直筆のものと確認された。政宗が20代のころ、現在の会津地方を拠点に勢力を広げていた時に書いたといい、当時の政宗の揚々とした様子が伝わる。

伊達政宗直筆と確認された書状=大郷町羽生の鎌田さん方

 市博物館によると、書状は1枚で、1589(天正17)年、旧暦の7月5日付。敵対していた岩城常隆の軍勢が政宗の支配下にあった田村領に攻め入り、田村勢が勝利を収めたことなどに触れ「為御満足候」と心境をつづっている。
 同館の職員が8月上旬に実物を確認し、筆跡や花押から政宗直筆の書状と断定した。一部が切り取られ宛名は不明。花押が私用の書状に用いた形をしていることから、伊達一門を含む家臣に宛てたとみられる。
 会津黒川城主だった芦名氏に政宗が大勝した摺上原(すりあげはら)の合戦から約1カ月後に記された。同館学芸企画室の明石治郎さん(63)は「反伊達の勢力を駆逐し、勢力を拡大していたことがうかがえる」と言う。
 明石さんによると、同館がこれまでに実物を確認した政宗直筆の書状は約1400通に上る。2019年夏以降も、約40通が新たに確認された。古文書の収集家や古物商などからの照会が多いという。
 今回確認された書状は、大郷町羽生の農業鎌田武志さん(78)方で保管していた。遠戚に当たる大郷町出身の郷土史家柴秀也さん(74)=仙台市若林区=が同館に鑑定を依頼した。
 「政宗直筆の書状は文体が独特。当時は政宗が東北の覇者になりつつあった絶頂期で、高揚感が感じられる」と柴さんは語る。
 鎌田さんの祖先は大郷町を拠点とした豪族とみられ、代々、書状を家宝のように扱ってきた。鎌田さんは「本物と確かめられてよかった。今まで通り大切に保管したい」と話す。

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