<東北のお取り寄せ>「川越せんべい店の南部せんべい」(青森・おいらせ)黄金色こんがり 食感ふんわり

素朴で懐かしい味わいの南部せんべい

 東北には、地域の食材を生かしたり、伝統の味を進化させたりして人気を集めるスイーツが多い。新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり消費が続く中、手元に取り寄せて幸せを味わうのはいかがだろう。お取り寄せ王国を歩き、各地の店や生産者を訪ねた。

 国産小麦を丁寧に手ごねし、薄い黄金色になるまで石窯で1枚ずつ焼く。手間をかけた昔ながらの製法が、「こんがり」の内側に「ふんわり」を閉じ込めたような独特の食感と香ばしさを生む。

 青森、岩手両県に伝わる「南部せんべい」。廃業せずに戦前から続く店が少ない中、1873年創業の川越せんべい店(青森県おいらせ町)は現存する日本最古の南部せんべい店として知られる。素朴で懐かしい味わいが特徴だ。

 5代目店主の川越将弘さん(47)は米国、シンガポールなどを仕事で渡り歩き、2016年に店を継いだ。「自分が3代目と誤解し、店の歴史が150年近くあるなんて知らなかった」と笑う。せんべいは川越さんを含む4人で作る。1日に焼けるのは最大300枚ほどで大量生産できない。

 南部せんべいの起源には諸説あるが、川越さんは独自に調べるうちに縄文時代にたどり着く。ドングリなどの粉を長期保存した縄文の粉食文化が、現代に受け継がれたとみる。江戸後期の天保の大飢饉(ききん)では「凶作だったコメに代わり、雑穀の粉食で命をつないだ。かまど(家庭)、食文化を女性たちが守った」と説く。

 定番は黒ごまを一面にまぶした堅焼きの「初代善吉のごませんべい」で、創業以来の人気商品。歴代店主が考案した5種類をセットにした「五代味くらべ」は、店の歴史も楽しめる。

 川越さんの代になり、耳の部分を大きく残した「福みみSEMBE(せんべ)」などを開発。「新商品作りでも最古の店らしく、奇をてらわずに伝統を掘り起こしたい」と意気込む。

せんべいを1枚ずつ石窯で焼き上げる川越さん

[メモ]ごま、ラッカセイ、バターのほか、煮込んで食べる「せんべい汁」用など十数種類をオンラインショップで取り扱う。「初代善吉のごませんべい」(7枚入り)400円、「五代味くらべ」(5種類10枚)800円。送料1000円(4000円以上購入で無料)。連絡先は川越せんべい店0178(52)2878(土日祝日は定休)。

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