身の程を知る<ツール・ド・東北への道(8)>

周りをよく見つつ、脇目も振らずに走ってようやく100キロ。家に帰ったら体重が1キロ減っていた

 ツール・ド・東北で出場予定の「北上フォンド」は行程約100キロ、獲得標高約900メートル。この距離を走った経験はほとんどない。ぶっつけ本番はまずいと思い、試走してみることにした。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でもあるので、石巻には行かず、今回は自宅を起点にチャレンジした。

 学生時代、テントを背負って山を縦走したが、日中の行動時間にゆとりを持たせるため「午前2時起床、3時食事、4時出発」というパターンが多かった。明るい時間が貴重なのは分かっているが、夜型の生活が続いているせいか、気付いたら出発は午前9時半。情けない走りだしになった。

 最初はきつく感じたが、体が慣れた後は順調にスピードに乗った。走行距離が100キロに達したのは7時間後。サイクルコンピューターの記録を見ると、自転車に乗っていたのは5時間ほどなので平均時速は20キロぐらい。昼食はコンビニのおにぎりで済ませ、後は給水程度だったが、止まっている時間が案外長いものだとあらためて知った。

 前傾姿勢を続けるだけでも体力を使う。腕はこわばり、足の先は靴に圧迫されてしびれたような痛みが走る。注意力が低下していくのも実感する。気温30度を超す暑さだったので、噴き出した汗が乾いて黒いウエアに白い粉となって散った。

 最終的な走行距離は120キロ、獲得標高は860メートルだった。楽ではないが無理でもない、という手応えを得た。

 自転車乗りにとって100キロは「脱初心者」の一つの目安らしい。200キロ、あるいはそれ以上を1日で走る人もいるそうだが、自分にとっては大きな壁をクリアできた感じだ。ペース配分や休憩の取り方など気付くことは多かった。本やネットで情報を仕入れることも大切だが、自分の体で得た感覚は唯一無二のもの。何事も試してみないと分からない。(う)

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 9月19日の開催まで1カ月を切った「ツール・ド・東北」。コンテンツセンターのデスクと記者が出場までの日々をつづる。

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