食物繊維を豊富に含み、健康食材として知られるキクイモの産地化に向けた動きが青森県内で広がっている。生産農家らは、生産拡大や加工品開発を目的にした団体を設立。米やリンゴに次ぐ青森を代表する「第三の作物」として育み、将来的には地域団体商標の登録を目指す。(青森総局・荘司結有)
北米原産のキクイモは食物繊維「イヌリン」を豊富に含む。高血圧や高血糖の改善効果が期待でき、「天然のインスリン」とも呼ばれる。でんぷんが少ないため糖質やカロリーが低く、ダイエット食品としても注目度が高い。
青森市の農園「Willow’ファーム」は2017年から生産に取り組む。代表の立柳直子さん(55)は糖尿病だった母親の食事にキクイモの加工品を取り入れ、血糖値が改善したのを機に自身も栽培を始めた。特にイヌリンが豊富とされる赤キクイモを育てる。
キクイモは収穫後の日持ちが短く、多くは加工品として流通している。立柳さんも収穫量1トン強のうち、3分の2をチップスやピクルス、アイスに加工してオンラインショップで販売。首都圏を中心に引き合いが強く、出品と同時に売り切れることも多いという。
立柳さんは「健康番組でキクイモの効能が紹介されるたびに注文が相次ぎ、生産者も2、3年で驚くほど増えた。生食でも味わえるよう主婦目線で工夫した売り方をしていく」と意欲的だ。評判を聞き付けた県内各地の農家らにも栽培方法を教えている。
コロナ禍による健康意識の高まりを追い風に、津軽地方を中心に生産者が増えつつある一方、販路拡大やブランド化への道のりは遠い。売れ行きが健康ブームの波に左右されやすい上、収穫シーズンの11月中旬~3月は降雪期と重なり、収穫方法にも課題が残る。
栽培や加工、研究のノウハウを共有しようと、県内の生産者らは6月下旬、県菊芋協会を設立。生産者と加工業者らがタッグを組み、今年は新たな加工食品の開発を進める。発起人を務める農業法人「柏崎青果」(おいらせ町)の柏崎進一社長(73)は「青森は『素材県』とも呼ばれるが、一歩進んだ加工品を売り出していく。短命県返上にも役立てたい」と語る。
2年前から生産している五所川原市の農業法人「青い森物産」は、粉末を練り込んだ豆腐を試作中。取締役の福士裕朗さん(39)は「キクイモは代表的な産地がまだない。関係者が束になり、活動していけば青森がメッカになりうるのではないか」と期待する。
県産食材などの機能性を研究する弘前大農学生命科学部の前多隼人准教授(食品栄養化学)は、キクイモ加工品を機能性表示食品に登録するよう提唱する。「イヌリンの効能を認定できる論文やエビデンスは多い。機能性をダイレクトに訴えれば付加価値がさらに増す」と話す。
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