小児の感染増、全体の結果反映 デルタ株影響の明確なデータなく 東北大・押谷教授に聞く

押谷仁教授

 新型コロナウイルスに感染した20歳未満の子ども(小児)は家庭外での感染拡大に与える影響が小さいとする東北大研究チームの調査結果を、21日の本紙朝刊で紹介した。一方、感染性が高いとされるデルタ株で小児の感染は増加傾向にある。チーム責任者の同大大学院医学系研究科の押谷仁教授(ウイルス学)に調査結果との関連性を尋ねた。
(聞き手は報道部・佐藤素子)

 -小児の感染が目立ってきた。

 「デルタ株の流行により全年齢層で感染者数が増えた。小児の感染増加は英米などでも報告があり注目されているが、現時点でデルタ株が小児で感染性が高いとの明確な科学的データはない。米国の研究機関などは、全年齢層の増加傾向の中で小児も増えたとみている」

 「日本でも小児の感染者が他の年齢層に比べて顕著に増加したわけではない。成人、特にワクチン接種が進んだ高齢者の感染減で相対的に小児感染者の割合が増え、増加傾向がみられたと考えられる」

 -学校でのクラスター多発も懸念される。

 「小児が重症化する割合は非常に低いが、小児患者の絶対数が増えれば重症患者も一定数の発生が予想される。実際に米国では重症の小児患者が増えている。日本でも感染が拡大すれば、同じ状況になることが危惧される」

 -研究チームは「小児による家庭外での感染拡大への影響は小さい」とした。

 「デルタ株の流行下でも小児は主に家庭内感染し、家庭外感染は相対的に頻度が低いと考えられる。インフルエンザの流行は学童間の感染が家庭を経て市中に広がるため、休校は市中感染の拡大を止める効果がある。一方、小児のコロナ感染は多くの場合、市中感染が家庭内に持ち込まれた結果と考えられる」

 「休校はクラスターの発生や拡大の予防効果はあっても、市中全体の感染拡大を最小限にする効果が望めるかは議論の対象となっている。研究チームのデータでは特に小学生以下の小児は二次感染を起こす割合も低く、地域の感染拡大への影響は限定的とみている」

 -学校での留意点は。

 「デルタ株流行前の各国の報告では、学校でのクラスターは短期間で終息することが知られているが、デルタ株でも同様かは現時点で判断できない。感染者を最小限に抑えるには、学校で流行を早期に検知して対応し、感染の連鎖を断ち切ることが重要だ」

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