ファスト映画投稿「甘い認識でやった」 著作権法違反で書類送検の男性心境語る

ファスト映画制作に関わった当時の心境などについて話す男性

 映画の内容を10分ほどに編集した「ファスト映画」を2020年6~7月に動画投稿サイトに公開したとして、宮城県塩釜署などが著作権法違反の疑いで男女5人を摘発した事件で、書類送検された川崎市の20代アルバイト男性が26日、東京都内で報道各社のインタビューに応じた。「甘い認識でやってしまった。映画に関わる方々への冒涜(ぼうとく)だった」と反省の弁を述べた。

「映画界への冒涜」反省

 男性は19年、オンラインゲームで交流があった札幌市東区、無職の男性被告(25)=著作権法違反の罪で起訴=からファスト映画制作を持ち掛けられた。著作権侵害が気になったが「映像にはモザイクを入れる。弁護士に聞いたが問題ない」などと説得され協力を決めた。
 題材は被告が選び、アプリを通じて送られてきた台本を朗読する形でナレーションを付けた。「友達の頼みを聞いているぐらいの感覚。別のファスト映画も投稿されており、グレーゾーンで黙認されているのかなと思っていた」
 初めて投稿された動画にモザイクはなかった。サイト管理者に削除されることもあった。男性は「違法だと気付けるタイミングはあったが、大丈夫ではないかと甘い認識でやった」と語る。
 同年12月ごろから約70本の動画にナレーションを付け、20年4~6月に報酬として計約10万円が振り込まれた。夏以降は作業が面倒になり、音声データの送信が遅れがちになると被告からの連絡は途絶えたという。
 21年4月下旬、男性宅を訪れた警察官に著作権法違反を指摘された。「最初は何を言われているか分からなかったが、警察官が帰った後に初めて自分のやったことの愚かさと罪の重さに気付いた」と振り返る。
 7月7日に著作権法違反容疑で書類送検され、同15日に1000万円以上の賠償金を支払うことで著作権者の一部の映画会社と示談が成立した。刑事処分は決まっていない。
 「著作権についてもっと調べるべきだった。自分の中で『ネットは別世界』という感覚があったが、ネットの方がより犯罪に巻き込まれるリスクがある。他のファスト映画投稿者も軽い気持ちを捨て、罪を自覚してほしい」と強調した。

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