座礁貨物船の重油除去、30日から本格化

真っ二つに割れた貨物船=26日午前6時ごろ(第2管区海上保安本部提供)

 青森県八戸港でパナマ船籍の貨物船「クリムゾン ポラリス」(3万9910トン)が11日に座礁した事故は、船首と船尾部に割れた船体から重油が流出し、地元漁業者が一時、定置網漁を中止するなどの影響が出た。船主側は、船体に残る重油の除去を30日に本格的に始める考え。
 第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)によると、これまで船尾部の燃料タンクから最大約282トンの重油が流出。一部は青森県八戸市、三沢市、おいらせ町、六ケ所村の海岸に、船が運んでいた木材チップと共に漂着した。
 海上の重油は回収船などが拡散させて希釈。漂着した重油やチップは一般財団法人海上災害防止センターが回収を進めている。
 貨物船を所有する洞雲汽船(愛媛県)によると、船首側には約1200トンの重油が残っている。配管を水中セメントでふさぐなど応急処置は施したものの、悪天候が続き洋上での除去作業は進んでいない。
 同社は26日、船体撤去に関する説明会を八戸市内で開催。関係者に謝罪後、船首部を港内に移動し、タンカーを横付けして重油を抜き取る手法を明らかにした。
 計画によると27日に着岸させ、30日に抜き取りを始める。9月10日ごろに作業を終え、同月末までに船首部を解体、撤去する考え。
 船尾部は解体に向けた調査を近く始める。周囲に防漏ネットを設置しており、新たに大量の重油が漏れる恐れはないとしている。
 事故後、八戸沖の定置網に油の付着が確認されるなどし、漁業者が水揚げを中断する事態となった。26日には同社が漁業関係者らに対し補償内容を説明。保険に基づく補償金額は最大36億円と表明した上で、個別の補償金額や支払い時期は未定とした。
 定置網漁を行う南浜漁協の石井清一理事(58)は「安心安全が担保されていない中で操業するのは不安。主力の秋サケ漁が始まる前に一日も早く撤去を完了させてほしい」と訴えた。
 貨物船は日本郵船が借り上げ、タイからチップを運んでいた。荒天のため八戸港で座礁し、自力で港外に移動後に船体が割れ、船尾部が沈没。船首、船尾部とも港の北約4キロ沖にとどまっている。乗組員21人は全員救助された。

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