車いすバスケ男子の藤本、攻守にけん引 メダルへ白星発進

日本-コロンビア 第1クオーターをリードして終え笑顔を見せる藤本(左)=26日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(佐藤将史撮影)

 東京パラリンピックの車いすバスケットボール男子の日本は26日、初戦のコロンビア戦で勝利し、初のメダル獲得へ好スタートを切った。チーム最多5大会連続出場の藤本怜央(れお)(37)=宮城MAX=は攻守で引っ張った。衰え知らずのベテランは集大成の大会で完全燃焼を期す。

 ファーストシュートは開始わずか6秒。鮮やかな3点シュートでチームを勢いづけた。「アウトサイドのシュートは見せるのではなく、決めていく。気持ち良く打てた」。車いすを体の一部のように自在に操り、コートを駆け回った。

 海外挑戦が成長のきっかけとなった。2014年にドイツに渡り、世界最強豪のリーグに所属。海外選手の当たりの強さに苦しんだ時期があった。

 「人間50、車いす50で考えたらどう?」

 日頃から車いすの修理や点検で付き合いのある高橋直岐さん(47)=仙台市青葉区=の助言で、身体能力だけに頼る考え方を改めた。自分に合った車いすを追求し、車輪の傾きを細かく調整したり、フレームの素材を変えたりといった試行錯誤を重ね、世界に通じる強さを培ってきた。

 ベテランの域に入り、体の鍛え方も体幹トレーニング中心に変えた。シュートの打ち方も年を追うごとに巧みさを増している。宮城MAXの佐藤裕希主将(35)は「怜央さんは常にうまくなることだけを考えている」と舌を巻く。

 小学3年で交通事故に遭い、右膝から下を失った。東北福祉大進学と同時に車いすバスケを始め、今年は20年目の節目となる。「今までの努力を大会で見せたい。心を込めてプレーする」。自国開催のパラリンピックに懸ける思いは誰よりも強い。
(剣持雄治)

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