飲食店は休業や短縮営業でも… 観光に買い物、人の流れ止まらず 宮城・緊急事態後初の週末

観光に訪れた若者の姿が目立った松島。後方は五大堂=29日午前11時55分ごろ、宮城県松島町

 宮城県が新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象地域に追加され、初の週末となった28、29日、観光や買い物を楽しむ人々の姿が県内各地で見られた。街や観光地から人影が消えた昨年4、5月の前回宣言時とは様子が一変した。今回も公共施設の利用が制限され、休業した飲食・宿泊施設も多かったが、「自粛疲れ」の人の流れは抑え切れないようだ。

■ 食事だけ提供

 100メートル余りの小道に30店以上が軒を連ねる大崎市の古川東町では28日夜、スナックや居酒屋が休業し、ラーメン店、焼き肉店の計3店だけが営業を続けた。焼き肉店を営む男性(49)は「カルビなどを既に仕入れてしまったので、酒をやめて食事だけを提供する」と話した。

 午後8時、営業店がシャッターを下ろすと、街は闇に包まれた。小料理屋(休業中)を経営する女性(77)は「昨年の宣言時、近くの店で2度も酒のボトルが盗まれた。警察には厳重な警戒をお願いしたい」と切望した。

 石巻市の観光交流拠点施設「いしのまき元気いちば」は食堂で宣言期間中の9月12日まで酒類の提供を停止し、土日の閉店時間を午後7時に繰り上げている。

 宣言後初の週末は普段より2割ほど客足が減った。29日午前、物販コーナーで鮮魚を買った市内の会社員牧野利幸さん(46)は「出歩く回数を減らすため、なるべくまとめ買いしている。一人一人が人との接触を避けるよう工夫するしかない」と語った。

■ 関東から半数

 一方、日本三景で知られる松島町の松島海岸地区では事業者の多くが営業しており、観光客が目立った。

 遊覧船運航の丸文松島汽船(塩釜市)によると、29日は1便当たり約30人が乗船し、関東からの客が半数を占めた。佐藤守郎専務(73)は「来てほしい気持ちはあるが、感染の心配もある」と複雑な表情だった。

■ ストレス限界

 コロナ禍のストレスや自粛疲れを癒やそうと、温泉を訪れる人も少なくなかった。

 28日午後のJR陸羽東線鳴子温泉駅。前日に旅館を予約し、東京から夫婦で訪れた40代男性は「仕事が忙しくストレスも限界。好きな海外旅行も2年、行けていない。列車内で観光パンフレットを広げず、観光客と思われないよう配慮した」と明かした。

 仙台市中心部は宣言前より人出がやや減ったとはいえ、買い物客が絶えなかった。都内から市内の実家に帰省している男性(22)は29日、「感染防止対策はしているので生活に変化はない。なるべく人混みになりそうな場所は避けている」と淡々と語った。

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