持国天立像よみがえれ 山形・慈恩寺、CFで修復費用募る

倒壊前の木造持国天立像(寒河江市教委提供)

 山形県寒河江市の国史跡「慈恩寺」本堂に安置され、2019年に倒壊した仏像「木造持国天立像」(高さ128・2センチ)の補修費用を集めるため、寺がクラウドファンディング(CF)で支援を求めている。大江幸友管長は「文化財保護について知るきっかけにしてほしい」と狙いを語る。

 持国天は室町時代の1580年に制作され、本尊「弥勒菩薩(みろくぼさつ)像」の両脇に並ぶうちの1体。四方を守護する「四天王」の一つで、左足に重心をかけ、邪鬼を踏みつけて立つ。体内の文書からは、国を災いから守るよう願いが込められたことが読み取れるという。

 元号が平成から令和になる直前の19年4月22日に突然、倒壊した。本堂の防犯カメラの映像から、倒壊は地震や人為的な原因によるものでなく、足元と台座の接地部分の経年劣化によるものとみられる。大江管長は「平成を守り抜いて倒れたような、運命的なものを感じた」と振り返る。

 補修は東北古典彫刻修復研究所(上山市)に依頼し、昨年7月に作業を始めた。費用400万円のうち200万円は寒河江市が補助。寺の資金や地元の寄付で50万円を確保し、残る150万円をCFサイト「レディーフォー」で募る。支援額に応じ、補修した持国天の体内に支援者の名前を納めるなどの返礼がある。

 サイトには、倒壊の瞬間を捉えた防犯カメラの映像や、修復作業の様子を伝える写真も掲載している。大江管長は「劣化で修復を必要とする文化財は全国にたくさんある。保護に関わる人たちの取り組みを発信することで、関心を高めたい」と話す。

 CFは10月1日まで。問い合わせは同寺0237(87)3993。

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