コロナ差別「過剰な相互監視」が背景に 非感染者も恐怖感

 仙台市のNPO法人「ワールドオープンハート」は、新型コロナウイルスの電話相談「新型コロナ差別ホットライン」の調査報告書をまとめた。相談者の半数以上が非感染者で、同法人は「罹患(りかん)したかどうかではなく、『コミュニティー内で感染第1号になりたくない』という日本特有の恐怖、圧力で相互監視が過剰となり、差別を生んでいる」と分析している。

 ホットラインは昨年9月に24時間体制で始め、報告書は同10月1日~今年7月末までに全国から寄せられた計71件を分析した。相談者の属性は非感染者が最多の40人で、濃厚接触者と患者家族が共に12人、感染者が5人。年代は30代31人、20代20人、40代17人と若年層が大半だった。

 相談内容の分類では「差別を受けるかもしれないことへの不安」が32人で最も多かった。「実際に差別を受けている」は20人で、「地方に帰省していいか」が14人、「感染後の周囲への対応」が5人と続いた。

 差別の具体例は(1)インターネット上の中傷(2)いたずら電話(3)医療従事者に対する親族の退職強要(4)ワクチンへの否定的な言動による職場での疎外-など。「『犯罪者家族』と罵倒された」「自分が理由で同居家族が感染、死亡し、罪悪感にさいなまれている」といった声もあった。

 ワールドオープンハートは2008年、犯罪加害者の家族ら社会的弱者の支援を目的に設立された。感染者や家族に向けられる批判が加害者家族の差別と類似する構造を踏まえ、相談対象を拡充した。

 阿部恭子代表は「地域や職場などに同調圧力が漂う中、同じ行動を取らない少数者がいじめや差別の対象になりがちだ」と指摘。「感染した人も罪責感を背負う傾向がある。幅広いケアが必要になる」と話した。

 同法人は今後もホットライン=090(5831)0810=を受け付ける。

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