ワクチン接種、若者の意識低い? 順序後回しでしわ寄せも

 新型コロナウイルスの「第5波」が猛威を振るう中、宮城県は感染が広がる若い世代の積極的なワクチン接種を呼び掛けている。県内の14大学が参加する大学接種の進展に差があり、村井嘉浩知事は8月26日の記者会見で「若者は高齢者に比べると意識が低い」と問題提起したが、接種順序を後回しにされてきた学生には困惑も広がる。

大規模接種会場で接種を待つ学生たち。宮城県や仙台市は若者の接種率の底上げを目指す

宮城県、「25歳未満限定」でてこ入れ

 「知事の発言は半分正解で半分間違い」。尚絅学院大4年の女子学生(21)=石巻市=は「接種後の副反応も含めて自分の健康の問題。関心が高いからこそ不安も大きい。意識が低いという指摘は当たらない」と反論する。より早く接種できる大学接種を選び、8月中旬に2回目の接種を済ませた。

 東北学院大は8月末までに、大学接種で学生の4割弱に当たる約4000人が接種または予約を済ませた。同大の関係者は「夏休み期間は予約が伸び悩んだ」と説明する。

 同大は全学生を対象に8月末までアンケートを実施。約3000人が回答した中間取りまとめでは「接種完了または予約済み」は約75%。「希望しているが予約が取れない」が約15%、「接種するつもりはない」が約10%だった。

 ワクチン接種は重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある人などを優先し、若い世代は後回しにされた。県人口の約半数を占め、若年層も多い仙台市は8月23日にようやく一般枠の予約受け付けを開始した。

 JR仙台駅東口のビルの大規模接種会場では、接種券が届いた16歳以上の全県民が接種できる。県によると、対象を全県民に広げた7月1日から8月中旬までの接種状況は40代、50代が各約30%、30代が20%弱、20代が15%前後、10代は数%で、若いほど少ない傾向にある。

 県内の新規感染者の年代別割合はグラフの通り。8月の20代以下の感染者は「第4波」の3月の1・4倍、4月の1・8倍に急増。感染力が強いデルタ株の影響で、若い世代でも重症者や死者が出ている。一方、8割以上が接種を終えた高齢者の割合は激減した。

 県は8月下旬、県内の大学など22校に、早期のワクチン接種に特段の配慮を求める通知を2回出した。大規模接種会場では9月から、1日3900回だった平日の接種能力を5000回に増強した。

 6日からは25歳未満限定の接種枠を用意し、大学や高校に案内を出した。仙台市も集団接種に夜間枠を確保。受験や就職を控える若者の接種推進に向け、てこ入れを図る。

 「周りでは接種した方が安心という意見が多い。未接種の人は予約が取れない人だと思う」「副反応でバイトを欠勤すれば店にも影響がある」。学生にもさまざまな事情がある。村井知事は「11月までには希望者のうち8割の接種を目指したい」と強調するが、行政は若者が置かれた状況を踏まえ、きめ細かな情報提供に取り組む必要がある。

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