点字ブロック途切れ、障害者困惑 仙台・黒松の交差点
視覚障害者が点字ブロックの設置改善を求めている交差点が、仙台市泉区黒松1丁目にある。ブロックが途切れ、横断歩道まで安全にたどり着けず不便さを感じているという。河北新報社に投書を寄せた視覚障害者とともに現場を歩くと、当事者には歩きづらい道路事情が見えてきた。
歩道未整備「命懸けで渡る」
「点字ブロックの敷設が不親切。いつも命懸けで渡っている」。泉区黒松2丁目に住む鈴木芳男さん(86)はうんざりしたように語る。60歳の時に両目の視力が衰え、71歳でほとんど見えなくなった。外出時に白杖(はくじょう)が欠かせない2級視覚障害者だ。
自宅は市地下鉄黒松駅の北側にある。駅に向かうため歩道の点字ブロックに従い南下すると、交差点の手前でブロックが途切れる。鈴木さんは約5メートル先の横断歩道まで、わずかな視覚を頼りに歩いている。
5月には車道に飛び出し、通行車両とぶつかりそうになった。「点字ブロックがない状態で歩くのは精神的なストレスが大きい」と打ち明ける。
点字ブロックは進行方向を示す「誘導ブロック」と、階段前や駅ホームの端などに置かれる「警告ブロック」の二つがある。黒松1丁目の交差点の場合、横断歩道までは「誘導」、横断歩道手前には「警告」を設ける必要がある。
なぜ、両方ともないのか。市によると、現場の約5メートルは歩道が未整備で市道の路肩になっている。市の基準では点字ブロックは歩道(幅2メートル以上)に敷設する規定があり、「歩道ではない現場にブロックを設置できない」(泉区道路課)という。
市は取材を受けて車道への飛び出しを防ぐ白線を引いたが、点字ブロックはつながれないままだ。鈴木さんは「点字ブロックは視覚障害者の『目』のようなもの。安全に歩行できるように横断歩道までブロックをつなげてほしい」と求める。
点字ブロックの整備が不十分なケースは全国でも多く見られる。
筑波大の徳田克己教授(バリアフリー論)は2006、07年、都道府県庁所在地の公共建物や繁華街などの点字ブロックを調査。現場のような横断歩道入り口に設置されていないケースのほか、マンホールで途切れたり、管理状態が悪くブロックがはがれたりする場所など計18種類の不適切な設置例があった。
徳田教授は「点字ブロックに求められるのは安全性と認識のしやすさだ。行政は視覚障害者にとって何が安全で分かりやすいかを専門家とともに真剣に検討し、整備を進める必要がある」と訴える。(池田旭)
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宮城県警 みやぎセキュリティメールより
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