新種「カクレトミヨ」と正式に認定 環境省レッドリストの淡水魚

新種であることが分かり、新たに命名された「カクレトミヨ」(半沢教授提供)
松本達也さん

 山形県天童、東根両市に生息し、環境省のレッドリストに登録されている淡水魚「イバラトミヨ特殊型」が地域固有の新種であることを、山形大大学院の修了生松本達也さん(24)=鹿児島市=らが確認し、国際的な動物分類学専門誌で発表した。命名した学名が正式に認められ、同大や地元の保全団体は「保全対策の加速につながる」と期待する。

 イバラトミヨは体長4~5センチでトゲウオ科トミヨ属の一種。背に7~9本のとげがあり、寿命は1年半ほど。雄が巣を作り雌を中に誘って産卵させ、ふ化するまで世話をする習性がある。

 両市の池や川に生息するイバラトミヨは異種間交雑を免れ、約200万年前の姿をとどめているとされてきた。ただ正式な学名がなかったため、種の保存法に基づく国の重点的保存対策から外れていた。「正式な学名の命名は悲願」(同大)だった。

 松本さんは同大学院理学専攻生物学分野の博士前期課程在籍中に研究に着手。学名があるトミヨ属11種の標本と比較し、背中のとげやうろこの形態的特徴が異なることを発見した。ゲノム解析により、他の種や型と交雑した形跡がないことも明らかにした。

 論文は松本さんと国立科学博物館の松浦啓一名誉研究員、山形大理学部の半沢直人教授の共著で発表し、7月末に公開された。学名を「Pungitius modestus(プンギティウス・モデスタス)」と付け、和名は水草に隠れていることから「カクレトミヨ」とした。

 松本さんは「保全活動を長年続けた地元の人たちや研究に協力してくれた方々に感謝したい」と語り、半沢教授は「国の天然記念物に指定される可能性が高まる」と見込む。

 両市のイバラトミヨの生息地は1986年、県の天然記念物に指定された。地域固有種を守ろうと、行政や地元住民らでつくる保全団体が川に保全池を設置したり、藻を刈るなど活動を続けている。

 「東根市イバラトミヨ生息地保存連絡協議会」事務局の同市生涯学習課は「興味を持つ人や協力してくれる人が増え、保全対策が推進されると期待している」としている。

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