利府町の元マスコット、後進に道譲る 「完璧なデザイン」と高評価も

 宮城県利府町と他市町の境に設置された道路上の標識に、見慣れないキャラクターが描かれている。黄色と緑を主体とした宇宙服のような近未来のいでたち。なぜ利府で未来を連想させるキャラなのか。取材を進めると、そろそろ見納めになることが分かった。(多賀城支局・石川遥一朗)

利府の明るい未来を期待し、選ばれた元町マスコットマークの未来ボーイ

 キャラクターの名前は「未来(ミラクル)ボーイ」。町の元マスコットマークだ。身長120センチ、体重は30キロ、好きな食べ物は町特産のナシだという。

 1987年に町制施行20年を迎えた町は、記念にキャッチフレーズ「夢いっぱい 伸びよ 羽ばたけ若い利府」を決定した。町は翌88年、町をPRしようと、このフレーズをイメージしたマスコットマークを募集。町内外から集まった約60作品の中から選ばれたのが未来ボーイだ。

 当時の町は、宅地開発が活発で人口が急速に増加していた。町の担当者は「変化著しい町の未来への期待から、未来ボーイが選ばれたのだろう」と話す。

 同町に住んでいたことのある多賀城市のイラストレーターアベナオミさん(36)は「無駄がなく、完璧なデザイン。印象に強く残る」と絶賛する。未来ボーイは町のカレンダーなどに使われたほか、着ぐるみも作られ、町の祭りにも登場した。

未来ボーイの立像とみやぎ国体で配布されたTシャツなど

 活躍のハイライトは、同町を主会場に開催された2001年の「みやぎ国体」。県が公募で決めた大会マスコット「ケヤッキー」の陰に隠れながらも、町は独自色を出そうと、未来ボーイのTシャツや帽子を製作。ボランティアにユニホームとして配布した。

 その後、町のキャッチフレーズも変わり、町は03年にその役割を終えたと判断。新たな使用をやめ、未来ボーイは表舞台から姿を消した。かつて着ぐるみの中に入って活躍した町町民課の太田健二課長補佐(52)は「今では町民でも30代以下は知らない人が多い」と残念そうだ。

 町は今年2月、町公式キャラクターに、十符の里の妖精「リーフちゃん」を任命した。県道など9カ所にある標識に描かれた未来ボーイの絵柄を、年内中にリーフちゃんに変更する予定。

 町によると、更新後に屋外で未来ボーイを見られるのは、同町加瀬の「町ふれあい農園」の色あせた看板を除くと、三陸沿岸道利府ジャンクションの標識のみ。こちらも町は将来的に更新していく方針だという。

 未来ボーイが誕生したころの町の人口は約1万4000。現在では約3万6000と倍以上に増えた。町の千田耕也秘書政策課長は「未来ボーイは利府の成長を立派に見守ってくれた。一部ファンの人にとっては残念かもしれないが、今後はリーフちゃんを応援してほしい」と呼び掛ける。

県道8号(利府街道)に設置された町境を示す標識。未来ボーイは今後、リーフちゃんに変更される予定
利府町公式キャラクターのリーフちゃん
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