自衛官でプロサーファー、海に向かう日々 46歳「中年の代表に」

 陸上自衛隊多賀城駐屯地(宮城県多賀城市)に勤務する2等陸曹の松渕秀人さん(46)は、宮城県七ケ浜町在住で菖蒲田浜を拠点に活動するプロサーファーでもある。日本プロサーフィン連盟(JPSA)の2019年ロングボード男子の年間順位は23位。さらに上位進出を狙うが、20年以降は新型コロナウイルスの影響で試合の中止が相次ぐ。松渕さんはそれでも練習を欠かさず、「中年の代表として表彰台に上がりたい」と意気込む。

菖蒲田浜を拠点に活動する松渕さん

 秋田市出身の松渕さんがサーフィンを始めたのは、秋田駐屯地(秋田市)で勤務していた21歳の時だ。地元のサーフショップでロングボードを勧められたことがきっかけだった。それまでは海水浴の経験しかなく、勤務前の早朝に見よう見まねで練習を始めた。

 技術を磨いて全国の大会への出場を重ね、35歳ごろにプロテストを受け始めた。アマチュアサーファーの年間ランキング上位者が集まって一番を決める2013年の大会では、「ロングボードメンズオープン」のクラスで優勝した。

 多賀城駐屯地には同年に転勤。外国人避暑地「高山国際村」や菖蒲田浜に朝日が昇るロケーションに引かれ、七ケ浜町内に自宅を構えた。松渕さんは「練習場所でなじみがあり、海を感じて暮らせることが決め手だった」と振り返る。

 菖蒲田浜に加え、サーファーの間で「仙台新港」の名前で知られる仙台港向洋海浜公園(仙台市)のビーチにも近くなるなどして練習環境が向上。プロテストは5回ほどの挑戦を経て40歳の時に合格した。

 プロツアーに初参戦した15年の順位は84位。年々順位を上げて19年は過去最高の23位だったが、新型コロナの感染拡大で20年は全6戦が中止となった。21年は第1、2戦に参加したものの、3戦目は宮城県へのまん延防止等重点措置の適用を受けて出場を自粛。4戦目は中止になった。

 コロナ禍で試合に参加できない中でも、松渕さんは毎日早朝に菖蒲田浜や仙台新港で練習してから出勤。勤務後の夕方からはまた海に入る。サーフィン漬けの日々はコロナ前と変わらないものの、「試合という目標がないと集中の維持が難しい」と心境を明かす。

 プロとしては高齢だが、60代で結果を出す選手もいる。「体力的にはまだまだ衰えていない。活躍することで応援してくれる皆さんに恩返しをし、ロングボードの楽しさを伝えたい」。松渕さんはそう意気込み、菖蒲田浜で波と向き合う。

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