葛尾再生へ、11年ぶり稲刈り 帰還困難区域

刈り取った稲を積み上げる野行農業生産組合のメンバー=28日、葛尾村

 東京電力福島第1原発事故後に帰還困難区域となった福島県葛尾村北東部の野行(のゆき)地区で28日、11年ぶりに稲刈りがあった。村は安全性を確かめる試験栽培と位置付けており、営農再開と住民帰還の促進を図る。

 村の委託を受けた野行農業生産組合のメンバーが、黄金色に実った県オリジナル品種「里山のつぶ」の稲穂を丁寧に刈り取った。2022年春の避難解除を見込む特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の水田5.8アールを使い、コメ約200キロを収穫する計画。流通はさせず、放射性物質濃度検査後に全て廃棄する。

 試験栽培は作付面積を増やしながら23年ごろまで続けられ、出荷再開は早くても24年になるという。避難先の郡山市から通い続けた半沢富二雄組合長(68)は「まだ不安はあるが、肌に染みこんだ作業は気持ちが良かった。仲間と一緒にこの地域を再生したい」と話した。

 村内には帰還困難区域が約1600ヘクタール残り、来春の避難解除はこのうち復興拠点95ヘクタールが対象。稲作はかつて地区の主産業で、試験栽培の結果は住民の帰還意欲にも影響するとみられる。

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